ほろうみの正解するポジ

投資の立ち位置を少しでも正しく理解するための記録╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2023年3月17日の週_金融ショックが続く

20日の日本市場が始まる前に、USBがクレディ・スイスを4300億円で買収することを決定した。PBR0.06くらいの評価額で、160億フラン相当(2兆円強)の永久劣後(AT1)債が無価値になるので民間投資家がリスクを丸かぶりした形になる。(よくわかってないので間違った認識かも。)

 

金小売価格が1グラム9000円で過去最高に。安全資産としての金への逃避が顕著になっているが、瞬間的な価値の膨張はそれ自体がリスクになる。

 

金融ショックがクレディ・スイス騒動で終わるという見通しは楽観的すぎる。潰せない銀行は救済されるとして、潰しても大丈夫な銀行の対応はどうなのか? 一晩で景色が変わる状況で連鎖的影響の範囲、規模も見えてこない。

銀行が救済されても、民間投資家が救済されるはない。今後のリスクプレミアムが上がる? わからないことが多すぎて考えがまとまらないのでこれで終了。

 

 

 

チェック事項

  • ロシアのウクライナ侵攻から1年経過
  • 4月から電力料金の値上げ
  • 物価高でインフラ工事不成立が増加
  • TOPIX指数が±10%のボックス相場
  • USBがクレディ・スイスを4300億円で買収

 

キーワード

熊本TSMC、技能職人材不足、IT人材不足、スキルのミスマッチ、技能実習生、人的資本開示、中古車、自動車アフターマーケット、車載半導体、老朽化マンション、クレーンゲーム、電力問題、新興国の社会情勢、サプライチェーン、エアコン、フロンガス規制、オウンドメディア、物流2024年問題、建設業2024年問題、人手不足倒産、価格決定力の優位性、漬物クライシス、ウクライナの土壌汚染、AIのシンギュラリティ、不動産在庫の顕著化、輸入物価とCPIのタイムラグ

 

2023年度のトレード方針

  • キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
  • 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード
  • 100円~150円のレンジを越えてくる事態になれば一段と強い警戒モードに
  • 自分がショートしやすいと思った銘柄は他の人もそう思っているのでプレミアムがないと想定しておく

 

2023年銘柄選別基準

  • 将来的にROE30%超(製造業は15%超)が期待できるか?
  • すでにROE30%超(製造業は15%超)の銘柄はそれを継続することができるか?
  • 直近EPSの10倍以上の成長余地はあるか?
  • 直近売上の10倍以上の成長余地はあるか?(成長株のみ)
  • トップラインで2割超成長を継続可能か?(成長株のみ)
  • 1人あたりの売上を維持つつ従業員数を増やしているか?
  • 一時的なネガティブ要因(グリッチ)で評価が下がっているか?
  • 非連続の成長期待要因(カタリスト)が株価に反映されていないか?
  • マクロの逆境下でも根を伸ばし続けて強靭になれるイメージがあるか?
  • 経営者のバランス感覚を評価する。ポジティブ100%の経営者は外す

 

みずほリサーチ&テクノロジーズ : みずほ経済・金融ウィークリー(2023年3月14日号)

米国:賃金は減速も、労働供給不足は継続
労働需給のひっ迫による押し上げで、CPI家賃の減速ペースは緩やかに
欧州:消費の大幅減が響き、22年4Qの成長率は横ばい
中国:年初の輸出は外需悪化で減少。輸入も減少したが、内需停滞以外も影響
日本:感染収束と物価高が混在する中で個人消費は伸び悩み
企業物価は伸び率縮小。輸入物価の鈍化がCPIにも時差を伴いつつ波及
1月の経常収支は黒字幅が縮小。サービス収支の赤字は拡大傾向
金融市場:米銀破綻で金融環境タイト化。一段と引き締まれば景気の下押し圧力に

 

米銀29位・シグネチャー銀行も破綻 預金全額保護 - 日本経済新聞

【ニューヨーク=竹内弘文】ニューヨーク州金融監督当局は12日、同州地盤の米銀シグネチャー・バンクの事業を同日付で停止したと発表した。10日に経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)に続く破綻となる。資産規模で全米29位のシグネチャー・バンクは米連邦預金保険公社FDIC)の管理下に入り、預金は全額保護される。

シグネチャー・バンクは暗号資産(仮想通貨)関連企業との取引で知られ、資産規模は2022年末時点で約1103億6000万ドル、預金は約885億9000万ドルあった。仮想通貨関連の取引が多かったシルバーゲート銀行の自主清算発表やSVB破綻を受けて、シグネチャー・バンクの信用不安も高まり預金流出が加速していたようだ。

 

HSBC、SVB英国部門を1ポンドで買収-ITセクターは一息 - Bloomberg

英銀HSBCホールディングスは13日、経営破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)の英国部門を1ポンドで買収すると発表した。

HSBCによると、今回の取引は直ちに完了する。ノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は発表文で、「今回の買収は英国における当行の事業にとって、優れた戦略的意味を持つ」と説明。「当行の商業銀行フランチャイズを強化するとともに、英国内外のテクノロジー生命科学分野など、革新的で急成長する企業にサービスを提供する能力も向上させる」とした。

イングランド銀行(英中央銀行)は今回の取引の結果、SVB英部門の全預金者の資金は安全かつ確実になると指摘。全てのSVBサービスは「今後も通常通り業務を続け、顧客はいかなる変更も認識することはない」とし、「今回の動きによる他の英銀行への直接的な著しい影響はない」と説明した。

 

インフレが問う貯金神話 実質目減り、48年ぶり規模 - 日本経済新聞

インフレが家計の資産を静かにむしばんでいる。2022年には、預貯金の購買力の低下度合いが48年ぶりの大きさとなった。物価が下がるデフレ環境では成功だった預貯金偏重が問われている。

・インフレが家計の資産の目減りにつながり始めた
・2022年の預金の購買力低下度合いは48年ぶり規模に
・デフレ時代の預貯金偏重に転機。投資機会探る動きも

 

金、初の1グラム9千円 米銀破綻で安全資産需要 - 産経ニュース

地金大手、田中貴金属工業(東京)は週明け13日午前、金小売価格を1グラム当たりで12日より32円高い9千円ちょうどに設定した。国内金価格の指標として初めて9千円台に乗せ、約2カ月ぶりに過去最高価格を更新した。米金融システムの安定性への懸念から国際的に金の先物価格が上昇しており、同社はこうした値動きを念頭に店頭での需要の増加を見込んだ。

金は利息が付かないものの金融危機や戦争、物価高騰の際でも株式や社債と違って暴落しない「有事の安全資産」とされる。

金融市場では、米銀の連鎖的な破綻が今後も続いた場合「世界経済の悪化を伴うリーマン・ショックなど米金融危機が再発しかねないと警戒され、安全資産の金需要が高まった」(大手証券)との声が出ている。

 

【コラム】銀行破綻でFRBの方向転換シナリオ復活-オーサーズ - Bloomberg

世界の金融システムが動揺している。米国のシリコンバレー銀行(SVB)が破綻した。2008年のリーマン・ブラザーズ破綻をきっかけにワシントン・ミューチュアルも破産申請を余儀なくされたが、米国の金融機関としてはそれ以来最大の破綻となった。

12日にはニューヨークのシグネチャー・バンクも事業停止を強いられた。ドットコムバブル崩壊と世界的金融危機の組み合わせの中に突然放り込まれたかのような感がある。

こうした状況をマクロ的な文脈からも見てみたい。米国債にとって、先週は歴史的にも波乱に満ちた1週間だった。米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長が来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げがあり得ると議会証言で示唆し、米2年国債利回りは5%を突破した。

1987年までさかのぼり、2年債利回りの2営業日での大きな下げをまとめてみた。87年のブラックマンデーや89年のミニクラッシュ、2001年9月11日の同時多発テロ、08年9月のリーマンショックと金融機関の救済資金を盛り込んだ問題資産購入計画(TARP)の議会での否決など最近の金融史に残る危機的状況が上位5位までを占める。SVB危機に伴う2日間の2年債利回り低下幅はそれに次ぐ6位となった。

SVBだけで以前の危機に匹敵するシステミックリスクをもたらすとは言い難いが、利回りの大きな低下を助長した理由は2つある。

最初の理由は、利回りが短期間で大幅に上昇しており、投資対象としての米2年国債がここ数年なかったほど魅力的に見えたことだ。5%のリターンが2年間保証され、利回りが下がればキャピタルゲインも得られるチャンスは無視できない。もう一つは、SVB危機が米連邦準備制度の考えを変えるかもしれないことだ。

景気の変調で米連邦準備制度が、利上げではなく利下げに突然転じると数カ月にわたり想定してきた投資家もいたが、これは常に非現実的だった。マクロデータはその性質上、展開していくのに時間がかかり、中央銀行がアプローチを調整できるのは状況が明らかになってからだ。

利下げが遅れ必要以上にひどい不況に対処しなければならなくなるタカ派的なミスよりも、ハト派的なミス、つまり時期尚早な利下げでインフレが定着してしまうことをFOMCが懸念していることは明白だ。

本当に金融政策の方向を反転させるには、金融安定に対する脅威が必要だ。よく言われるのは、米金融当局は何かが壊れるまで引き締めなければならないということだが、何かが壊れてしまった今、FOMCが方向転換する可能性ははるかに高くなった。

 

コマツ、中国で生産能力4割減 需要低迷長引くと判断 - 日本経済新聞

コマツは2023年3月をめどに、中国で建機の生産能力を4割減の年1万台に減らす。需要が低迷しているためで、山東省済寧市で建機の生産子会社と部品子会社を統合する。江蘇省常州市でも生産子会社と鋳造品を生産する子会社を統合する。

両省の生産子会社は再編を見据え、22年までに合弁を解消していた。生産能力が1万台規模に縮小しても...

 

米銀行株が全面安、地銀急落で取引停止続出-当局行動も売り止まらず - Bloomberg

13日の米株式市場では銀行株へのエクスポージャー削減を投資家が急ぎ、業界全体に混乱が広がっている。複数の銀行株が記録的な大幅安に見舞われ、取引停止が続出した。

とりわけ地方銀行の下げがきつく、KBW地銀指数は一時12%安で取引時間中として2020年3月以降で最大の下落率を記録した。米連邦準備制度連邦預金保険公社(FDIC)などが国内全ての預金を保護できるほどの大規模な銀行向け安全措置を新たに発表したが、銀行株への売り浴びせに歯止めはかかっていない。

「大半の銀行は、通常の環境下では支払い能力がある。問題は、全面的な銀行取り付けに耐えられる銀行などないということだ」とインタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は指摘。「FDICの行動で、預金の取り付けが起きるという想定は排除されたが、投資家による銀行取り付けが起きている」と語った。

わずか1年足らずの間にゼロから4.5%まで金利を引き上げるなど、米金融当局の積極的な引き締めで恩恵を受けるとの思惑から投資家は銀行株へのポジションを積み増していただけに、売りはとりわけ強烈となっている。金利上昇は金利収入の増加をもたらすと考えられることが多いものの、今年は逆イールドが進行するなど問題は複雑化している。

銀行上場投資信託ETF)の一部から先週後半に投資資金の流出が始まった兆しも表れていた。最新のデータによると、17億ドル(約2300億円)規模のインベスコKBW銀行ETF(ティッカー:KBWB)からは2億4500万ドルが流出し、過去1年で最大の流出額だった。

 

米大手11行、ファースト・リパブリック銀行支援 4兆円預金 - 日本経済新聞

【ニューヨーク=竹内弘文】JPモルガン・チェースバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)など大手銀行11行は16日、合同で中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクに対して合計300億ドル(約4兆円)を預金すると発表した。預金流出が加速する同行の資金繰りを支える。実質的な信用補完の側面もある。

 

日本が対韓輸出規制の強化措置撤回へ、韓国はWTO提訴取り下げ - Bloomberg

韓国の産業通商資源省は16日、日本が一部のテクノロジー関連品目を対象に2019年に導入した韓国に対する輸出規制の厳格化措置について、日本が撤回に同意したと発表した。この問題を巡って世界貿易機関WTO)に申し立てていた紛争解決手続きは取り下げた。

日本の経済産業省も同様に、韓国側の輸出管理当局の体制や運用など実効性について確認し、改善が認められたとして、半導体材料であるフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目について、個別輸出許可から包括輸出許可に切り替えるとした。

経産省幹部は、記者向けの説明で、3品目にかかる輸出管理の見直しのスケジュールについては、「適切なタイミングで行っていく」としたが、具体的な日程については未定だと述べた。

一方、安全保障上の輸出管理で手続き簡略化など優遇措置を適用する国カテゴリーの取り扱いについては、対話を継続する。同幹部は3品目の見直しと、国カテゴリーは規則を変更する要件が異なるためだと説明した。

 

日銀の国債保有が52%に拡大、過去最高を更新-12月末・資金循環統計 - Bloomberg

国債の発行残高に占める日本銀行保有分の割合が、国庫短期証券を除くベースで52.02%と過去最高を更新した。日銀が17日、昨年10-12月期の資金循環統計を公表した。

12月末の家計金融資産は前年比0.4%増の2023兆円-日銀

日銀が昨年12月にイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策における長期金利の許容変動幅を上下0.5%程度に拡大し、事実上の利上げと受け止めた市場では長期金利の上昇圧力が強まった。金利抑制のために指し値オペなどを駆使して積極的に国債を買い入れ、保有国債残高が膨らんだ。

国庫短期証券を除いた発行国債に占める日銀の保有割合は昨年9月末に初めて5割を超えた。12月末は国債発行残高1051兆円に対し、日銀保有は547兆円だった。

国庫短期証券を含むベースの日銀保有は前年比4.7%増の555兆円で、発行残高に占める構成比は46.3%。海外の保有は同5.7%減の166兆円で、構成比は13.8%となった。

家計が保有する金融資産残高は前年比0.4%増の2023兆円で過去最高を更新。株価の下落を受けて株式等は同5.1%減となったが、過半を占める現金・預金が同2.1%増加し、1116兆円に拡大した。

 

米銀、FRBからの借り入れ20兆円に急増 リーマン超え - 日本経済新聞

【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は16日、銀行によるFRBからの資金借り入れが15日時点で1528億ドル(約20兆円)に急増したと発表した。リーマン危機時を抜いて過去最高を記録した。相次ぐ米銀の破綻で金融市場は動揺しており、資金繰りを「最後の貸し手」である中央銀行に頼っている。

FRBは金融機関が資金繰りに行き詰まることを避けるための安全弁として、民間銀行向けに貸し出しを実施している。8日時点で45億ドル強だったこの融資額は一週間で33倍に急増した。10日以降に米銀シリコンバレーバンク(SVB)などが相次ぎ破綻し、市場で資金のやり取りが細っているためだ。

この貸し出しは金融危機時などに急増する。これまでの最高はリーマン危機後の08年10月末につけた1107億ドルだった。金融機関はかつては経営不安の噂が流れるのを警戒して、FRBからの借り入れを敬遠する傾向にあった。

FRBがSVBの破綻を受けて新たに設けた「銀行タームファンディングプログラム(BTFP)」と呼ばれる緊急融資枠も15日時点で119億ドルの利用があった。破綻したSVBとシグネチャーバンクを管理するために米連邦預金保険公社FDIC)が作った「ブリッジバンク」向けの融資も膨らみ、FRBが「その他の信用拡張」と分類する融資額は1428億ドルに拡大した。

 

 

UBSがクレディ・スイス買収へ、危機収束へ歴史的な銀行統合 - Bloomberg

スイスの銀行大手UBSグループは、同業クレディ・スイス・グループを買収することに同意した。世界の金融市場に広がる恐れがあった信用危機を食い止めようと、スイス政府が歴史的な買収を仲介した。

買収は30億スイス・フラン(約4300億円)規模の株式交換になり、合意には広範囲な政府保証と流動性供給が含まれる。クレディ・スイスの株式時価総額は17日終値時点で約74億フランで、買収額はこの半分未満となる。

スイス国立銀行中央銀行)はUBSに1000億フランの流動性支援を提供する一方、政府はUBSが買収する資産から生じ得る損失に対し90億フランの保証を与える。スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は、クレディ・スイス債約160億フラン相当が無価値になり、民間投資家がコストを負担することになると説明した。

同計画は週末に急きょ開催された協議で取りまとめられた。顧客流出や、米国の比較的小規模な金融機関の破綻後1週間のクレディ・スイスの株・債券急落に対処することを目指す。スイス中銀が週半ばに行った流動性バックストップでは、カウンターパーティー離れを招きかねない市場の動揺に歯止めをかけることができず、業界により幅広く予期しない結果を招く恐れがあった。

スイス中銀のヨルダン総裁は19日遅くの記者会見で、クレディ・スイスがシステム上重要な銀行であることを踏まえると、「迅速に行動し、できるだけ早く解決策を見いだすことが不可欠だった」と説明した。

米連邦準備制度理事会FRB)と米財務省欧州中央銀行(ECB)はこの合意を歓迎した。

両行とも米国で事業を営み、世界の金融システムにとって重要な銀行と見なされるため、米当局もスイス側と協力して関与しているとブルームバーグが先に報じていた。当局はアジアの金融市場が始まる前に合意を見いだすことを目指していた。

UBSは当初、約10億ドル(1株当たり0.25スイス・フラン相当)の買収案を提示。クレディ・スイスはこれに難色を示していたと、複数の関係者が明らかにしていた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によれば、UBSはクレジット・デフォルト・スワップCDS)のスプレッドが大きく跳ね上がった場合には取引を無効にする「MAC条項」も求めていたが、この条件を和らげることにも同意した。

1856年設立のクレディ・スイス買収はスイスのみならず、世界の金融業界に新たな歴史を刻む重要イベントになる。前身の銀行は山岳国であるスイスに鉄道網を敷くための資金融通を主な目的としていた。やがて世界有数の銀行に成長し、世界金融センターとしてのスイスの役割を象徴するまでになったが、金融危機後は銀行業の変革に追い付くのに苦戦した。

UBSのルーツは160年余り前にさかのぼり、前身企業の数は約370社に及ぶ。1998年にスイス・ユニオン銀行とスイス銀行コーポレーションの合併で事業拡大は頂点を極めた。2008年の金融危機では政府に救済され、その脱却後は世界最大級の資産運用会社としての評判を築き、世界の富裕層にサービスを提供している。

クレディ・スイス金融危機時に政府救済を受けなかったが、ここ数年は一連の損失や不祥事、幹部交代、訴訟といった問題が相次いでいた。財務の健全性に対する不安が強まり、昨年10ー12月で1000億ドルを超える顧客資金が流出。40億フランの増資後も資金流出は続いた。

 

クレディ・スイスAT1債、2兆円強が無価値に-UBSの買収合意で - Bloomberg

スイスの銀行大手UBSグループによる買収合意を受け、クレディ・スイス・グループの債券約160億スイス・フラン(約2兆2800億円)相当が無価値になった。

スイスの連邦金融市場監督機構(FINMA)がウェブサイトに掲載した声明によると、買収合意を受け、クレディ・スイスの「その他ティア1債」(AT1債)は中核的自己資本拡充のため「完全な元本削減」が実施される。

これは2750億ドル(約36兆円)規模の欧州AT1債市場にとって過去最大の損失。2017年に破綻回避でスペインのサンタンデール銀行に買収された同国ポプラール・エスパニョール銀行のジュニア債保有者が被った13億5000万ユーロ(現在の為替レートで約1900億円)の損失を大きく上回る。

ブルームバーグのデータによると、クレディ・スイスのAT1債を保有している数多くの資産運用会社には、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)、インベスコ、ブルーベイ・ファンズ・マネジメントが含まれる。各社の保有分は当局への最後の届け出から変更されたり全て売却されたりしている可能性もある。

ピムコとブルーベイは買収合意発表前の17日時点でブルームバーグ・ニュースに対しコメントを控えた。インベスコの広報担当者は、投資チームは引き続き状況を注視していくと説明した。

クレディ・スイスのAT1債は17日までに、破綻しそうな企業に通常見られる水準で既に取引されていた。トレースによると、発行から1年に満たない16億5000万ドルの債券の一部は額面1ドル当たり約35セントで売買されていた。