ほろうみの正解するポジ

投資の立ち位置を正しく理解するための記録╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2022年1月14日の週_市場が示す距離感

15日にトンガ付近の海底火山が噴火し、日本の海岸にも津波が押し寄せる影響が出た。通信障害の影響もありトンガ国内の被害状況は不明なところが多いが、破滅的な被害は免れた模様。ただ、過去の同様の事例からこれから引き起こる世界各国に及ぶ中長期的な影響も予想されていて、予断を許さない状況には変わりない。

 

投資家と公益資本主義を標榜する岸田政権との距離感が広まるばかりだ。前にも言ったように、より深刻なことは、この政権を日本国民の多くが承認している事実だ。オミクロン株が猛威を奮ってコロナ患者が急増しても内閣支持率が下がらない。

 

投資家のマインドは最悪なことは年明けからの市場が証明している。グローバルにマネーが行き交う状況下で市場が示す投資家と日本の民意との距離感は、世界と日本との距離感でもあり、重くのしかかる。

 

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留意事項

  • 岸田新政権と投資家との距離感、内閣支持率は高い
  • 欧州に原発回帰の動き
  • ロシアとウクライナの衝突懸念 ヨーロッパのガス価格上昇
  • 冬のタイトな電力需給
  • 国際物流の停滞が実体経済に影響
  • 飽和状態のマネー
  • コロナ禍のより現場に近いミクロな領域への影響
  • カザフスタン問題
  • 北京五輪 2/3~2/20
  • トンガの海底火山噴火
  • 日本国内のコロナ感染が急増
  • 国内の仕入れと販売の価格差が顕著 インフレ余地が高い

 

注目テーマ

  • ROE銘柄 非製造業で30以上、製造業で20以上のROEが将来的に期待できる企業
  • 外需 (中国および東南アジアの中古車関連、アニメ&漫画関連など)
  • プラットフォーム型 (自社が保有するデータを活用できる企業)
  • 社会課題解決型 (業績改善よりは高レベルの課題)

 

2022年度の方針

  • 基本的に昨年のやり方を継続し、現物の主力枠の銘柄はなるべく動かさない
  • 主力枠以外の銘柄は含み益があるうちに利益確定を意識
  • 小型株にさらに資金が抜けたときのプランB(考え中)を用意しておく
  • キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
  • 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード

 

 

 

 

「集住」、滋賀・宮城が先行: 日本経済新聞

総務省国勢調査人口等基本集計を使い、1平方キロメートル当たり4000人以上といった条件を満たす人口集中地区(総合2面きょうのことば)の人口を全域の人口で割り算出した。国土面積のわずか4%弱の人口集中地区に、7割の国民が居住する。一方、都道府県別にみると、東京都(98.6%)から島根県(25.6%)まで大きな地域差がある。

集住は公共投資や行政サービスの集中配分を可能とすることから、人口が減少し税収も縮小していく中で、生産性を向上させる不可欠な政策とされる。住民にとっても子育てや医療などの利用環境向上に加え、商業施設などの立地も見込め、生活の質を保ちやすい。

最も集住率を高めたのは滋賀県。6.6ポイント上昇し、53.3%となった。以下、宮城県(5.6ポイント上昇)、佐賀県(5.1ポイント上昇)が続く。集住率の向上と経済成長は連動する傾向があり、上位3県の実質県内総生産(GDP、18年度)の対10年度伸び率は、いずれも全国平均(8.9%)を上回り、10%台を記録した。

 

日立製作所、全社員ジョブ型に 社外にも必要スキル公表: 日本経済新聞

日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ型雇用」を本体の全社員に広げる。管理職だけでなく一般社員も加え、新たに国内2万人が対象となる。必要とするスキルは社外にも公開し、デジタル技術など専門性の高い人材を広く募る。年功色の強い従来制度を脱し、変化への適応力を高める動きが日本の大手企業でも加速する。

日立が公開するのは、必要な人材を社外から機動的に募るためだ。年功制や順送り人事の壁を取り払い、管理職の約1万人とあわせ本体3万人が全面的にジョブ型にカジをきる。

一般社員では約450の職種で標準となる職務記述書を作成した。経営戦略に基づき、システムエンジニアや設計など職種や等級などに応じ、個々のスキル内容や職務を明示する。新卒者や転職希望者はホームページで日立が求める人材を理解できる。

例えば、金融機関向けシステムの技術者を募る際、顧客との交渉力やシステムの構築力を明記する。投資家向け広報(IR)ではファンドの運用担当者と対等な議論ができる財務・会計の知識などを求める。

職務記述書の内容は今後、事業環境や注力分野の変化にあわせて柔軟に見直す。社員のスキル向上のためにも経営側は社員のリスキリング(学び直し)の場を拡充する。19年に3つの研修機関を統合した新会社「日立アカデミー」を設立し、人工知能(AI)などデジタル関連の分野では100種類のメニューを用意した

今後は事業戦略に応じた研修内容の拡充が事業成長とジョブ型の定着に欠かせない。多様な人材が働きやすい環境づくりや、そうした人材を共通に評価する制度づくりなども必要となる。

 

プライム市場、1841社でスタート 東証ビジュアル解説: 日本経済新聞

22年春の市場再編では企業に成長を促して投資マネーを呼び込むため、各市場の役割をはっきりさせようとしている。現在の東証1部市場は上場社数が2200社弱で、全体の6割が集中している。海外の主要市場と比べても企業数が多い。世界の主要市場の時価総額をみると、東京は米国に大きく水をあけられている。新設するプライムは多くの海外投資家を呼び込むグローバル企業が上場する市場との位置づけだ。

これまでの東証1部は業績や売買のしやすさを示す株式流動性の観点から投資しにくい企業が多いとの批判もあった。プライムは1部より上場基準を厳しくし、最上位市場として企業の「質」を高める。その一つが流通株式比率で、多くの投資家が取引しやすいよう特定株主の影響力を下げる。

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東証、再編後も欧米遠く 1社あたり時価総額は3分の1: 日本経済新聞

「市場名称と中身のギャップが大きい。もっと企業を絞り込んでほしかった」。ニッセイアセットマネジメントの伊藤琢チーフ・ポートフォリオ・マネジャーは話す。「最上の」「最も重要な」を意味する「プライム」にふさわしい市場になっていないと指摘する。

プライム市場が欧米市場に比べて見劣りするのはまず、小粒な企業が多いことだ。上場企業1社あたりの時価総額は中央値で599億円と、米ニューヨーク証券取引所や米ナスダック証券取引所「グローバルセレクト」の3分の1以下だ。激変緩和措置により小粒な企業が多く残ったため、現行の東証1部(446億円)とほぼ変わらない。

運用規模の大きい海外投資家にとって、時価総額で5000億円程度が投資対象の最低ラインだ。プライム企業の1社あたりの時価総額は中央値でも単純平均でもこれを満たさない。

プライム企業は純資産対比で見た市場評価(PBR=株価純資産倍率)でも見劣りする。PBRが解散価値の1倍を下回る企業は46%に上る。1~2割しかない欧米市場に大きく水をあけられている。PBR1倍割れは、企業が投資家の求めるリターンを上回る利益を上げられていないことを意味する。

稼ぐ力の低さは自己資本利益率ROE)で見て取れる。プライム企業の20年度まで3期平均のROEは7.8%と、米ナスダックのグローバルセレクト(14.7%)の半分程度だ。特に大企業で精彩を欠く例が多く、20年度の売上高が1兆円以上の127社のうち、PBR1倍割れで過去3年平均のROEが8%以下は4割に上る。

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工作機械受注、12月は40.5%増 14カ月連続プラス: 日本経済新聞

外需は30・6%増の878億1300万円だった。マシニングセンターなどを手がける牧野フライス製作所の担当者は「米国と中国で受注が好調だ。新型コロナウイルスの変異型『オミクロン型』の感染拡大の影響はまだ出ていないが、移動制限が厳しくなれば悪化する可能性はある」と話す。同社の12月の海外向け受注は35・6%増の59億8000万円だった。

内需は61・2%増の513億3900万円だった。オークマによると、もともと好調だった半導体製造装置に加えて、自動車向けの受注が増え始めたという。

 

食品や運賃に値上げ波及 12月企業物価8.5%上昇: 日本経済新聞

企業物価指数は21年11月に9.2%上昇し、オイルショックの影響があった1980年12月(10.4%)以来、41年ぶりの伸びを記録した。12月は小幅鈍化したが、記録的なインフレが続いている。

円安の影響も相まって、輸入物価指数(円ベース)の上昇率は41.9%と前月(45.2%)に続き記録的な伸びとなっている。石油など川上での価格高騰が際立つが、最近は鋼板や建設用木材、生産用の機械といった中間財にも値上げが広がってきた。

企業の姿勢の変化は日銀が12月に調査した全国企業短期経済観測調査(短観)にも現れている。販売価格が「上昇」と答えた割合から「下落」を差し引いた価格判断DI(指数)は全規模全産業でプラス10と1991年以来の高水準を記録した。先行きはさらに物価が上がるとの回答が多い。

注目すべきは原油価格が高騰した08年との変化だ。仕入れ価格判断DIを比べると、08年のピークはプラス57なのに対し、直近はプラス43。一方、販売価格DIは08年ピークがプラス4に対し、今回はプラス10だ。いずれも仕入れDIの方が高いものの、その差は縮まっており、企業は価格転嫁を探ろうとする機運が高まってきている兆しといえる。

日銀元理事の前田栄治ちばぎん総合研究所社長は「新型コロナウイルスの影響で消費者意識が変わるなか、コストの適切な価格転嫁を探る動きがみえつつある」と指摘する。コロナ禍では消費が抑えられた分、家計全体の貯蓄に余裕が出ており、値上げが受け入れられやすい環境にもある。

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世界の新規上場株変調 半数が公開価格割れ、過熱の反動: 日本経済新聞

世界の新規上場企業の株価が変調している。2021年に上場した世界約4000社のうち約5割は足元の株価が上場時の公開価格を下回っている。21年は上場数が過去最高となり、公開価格の評価がIT(情報技術)バブル期以来の高水準となるほどの活況となった反動が大きい。低金利下で膨張したマネーの流入がこのまま急減すれば、新興企業の資金調達の障害となるリスクをはらむ。

背景にあるのが世界的なIPO銘柄の株安だ。上場時に企業や証券会社は会社の実力や投資家の需要をみながら発行する株式の価格(公開価格)を決める。金融情報会社リフィニティブによると、21年の上場数は前年比60%増の4413件。QUICK・ファクトセットで株式発行を伴わない直接上場などをのぞいた3260社を対象に調べたところ、1676社で現在の株価が公開価格を下回る。公開価格割れの割合は20年の3割弱や過去5年平均の4割を上回る。

世界の新規上場銘柄の値動きを示す「FTSEルネサンスグローバルIPO指数」は21年に13%下落。足元でも21年2月の最高値から3割超安い水準に沈む。

変調の原因の一つはITバブル以来の水準まで高まった公開価格の割高さにある。

フロリダ大学IPOを研究するジェイ・リッター教授は、公開価格が1株当たり売上高の何倍かを示す「株価売上高倍率」を集計している。21年に上場した米国のテクノロジー企業(バイオ関連を除く)では同倍率の中央値が15.2倍と、00年(31.7倍)以来の高水準だ。赤字企業の割合も8割弱とITバブル期に近い。

ITバブルの崩壊後は米国で400社前後だった年間の上場数が100社以下に低迷し、市場が持ち直すまで3年以上かかった。過熱の反動が大きければ、来年に上場を予定するインテル傘下の自動運転部門モービルアイなどの上場にも響きかねない。

 

新型コロナ: コロナ感染、米欧の一部でピーク越えか NYや英で減少: 日本経済新聞

米欧の一部で、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少に転じている。米疾病対策センター(CDC)によると、米ニューヨーク市では13日の新規感染者数が7日移動平均で約3万2600人とピークの9日から19%減った。変異型「オミクロン型」が早い時期から急拡大した地域では、早くもピークを越えたとの指摘も出始めている。

CDCによると、首都ワシントンの13日の新規感染者数は7日移動平均で1745人と9日に比べて22%減った。米国ではほかにもニュージャージー州マサチューセッツ州自治プエルトリコなどで感染者数が減少に転じている。

 

新型コロナ: 米消費者物価7.0%上昇 12月、39年半ぶり伸び: 日本経済新聞

12月の物価上昇率は約39年ぶりの高水準だった11月の6.8%からさらに加速し、1982年6月(7.1%)以来の強さが続いた。

2021年は物価高が急速に進み、1月に1.4%だったインフレ率は5月以降、5%以上が続いた。足元の動向をより反映する前月比の上昇率は全体の指数で0.5%と、11月の0.8%から落ちついた。

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日銀、3カ月半ぶりにETF買い入れ-701億円、前回と同じ規模 - Bloomberg

日本銀行は14日に上場投資信託ETF)を701億円買い入れた。ウェブサイトで結果を公表した。買い入れ額は前回と同じだった。

14日の東京株式市場で、TOPIXの午前終値は前日比2.02%安。日銀がETFを前回買い入れたのは昨年10月1日。同日のTOPIXの午前終値は2.03%安だった。

 

トンガ沖で大規模な海底噴火 沿岸部、津波で建物浸水: 日本経済新聞

メルボルン=共同】南太平洋の島国トンガ沖で15日午後5時10分(日本時間午後1時10分)ごろ、海底火山が大規模な噴火を起こした。首都ヌクアロファのあるトンガタプ島では海岸に津波が到達。沿岸部の道路や建物が浸水した。現地の通信状況が悪化しており、けが人の有無は明らかになっていない。噴火の影響で日本や米ハワイなど広範囲に津波が到達した。

日本外務省によると、トンガの在留邦人は2020年10月現在で35人。安否確認を急いでいる。ヌクアロファで高さ80センチの津波を観測。米気象当局によると、米ハワイ州カウアイ島でも最大約80センチの津波を観測した。

 

岸田文雄首相がキャッチフレーズとして掲げる「新しい資本主義」について、「いったい何を言っているのかわからない」という声が少なくない。

岸田氏は、これらの問題に対して、「成長と分配の好循環」を作りつつ、「人への投資」「官民連携」「スタートアップの支援」「官民での投資の実現」「デジタル田園都市国家構想」「気候変動への対応」「若者・子育て世代の所得引き上げ」などに対応すると語っている。

今度は、「新自由主義」という言葉を使ってみたかっただけではないのだろうか。実は、筆者の密かな観察によると、日本経済を論じる際に「新自由主義」という言葉を使う人の議論はほとんど的外れだ。資本主義システムが、福祉国家新自由主義と流行を変えてきたという、経済学説史的知識に頼って、それらしく議論をしているつもりなのだろうが、日本が新自由主義の段階に達したことなど一度もないからだ。

日本の経済が残念な状況にあることの根源には、資本主義的というよりはむしろ縁故主義的な社会・経済運営の閉塞性があり、その結果、成長が乏しく、企業の従業員への支払いが貧乏くさく、社会のセーフティーネットが貧弱であることに問題が波及している。

「福祉」を企業の負担にすることは非効率的だ。ちなみに、岸田論文によると、国民総所得に対する雇用者報酬はアメリカが52.8%(2019年)で、日本は50.5%だ。何と、日本のほうが低いのだ。

例えば、生産のグローバル化を進めすぎて生産プロセスがレジリエンスを弱体化させたことは、市場や資本の論理が悪いのではなくて、企業がリスクに正しく気づかなかっただけだ。これを素早く修正できるのは、政府ではなく、企業の側だろう。

岸田論文は、民間企業の設備投資額を2000年から2019年で比較すると、アメリカは1.45倍、日本は1.1倍だという。それだけが原因だというつもりはないが、この時期にあって、より「新自由主義的」(≒市場経済重視)だったのは明らかにアメリカのほうではないか。

はっきり言って、正社員をスムーズに解雇することさえできない(解雇には明確な金銭補償のルールが必要だが)日本の経済が、新自由主義的であったことなど一瞬もない。

岸田首相がしばしば言及する、「成長」と「分配」について言うならば、成長を求めるためにわが国の経済に足りないのは、むしろ新自由主義的な自由と市場の尊重なのではないだろうか。

そもそも実現していない「新自由主義」から脱却するというのはまったくピント外れだし、日本には、むしろ「新自由主義」が足りていないのが真相ではないか。ただし、「新自由主義」という「薬」には、服用上重要な注意事項がある。

新自由主義」と呼ぶのが適切か否かは別として、市場経済に任せた社会運営で経済力の格差が拡大することは否めない。トマ・ピケティ氏が指摘したように、資本の収益率は経済成長や賃金の成長率を上回るので、資本を持っている金持ちとそうでない人との間の経済力格差は広がる傾向がある。そして、人は社会の中で経済力の格差が大きく広がることをよいことだと思っていない。

一方、能力主義的な社会運営を徹底させると、生まれながらの才能や教育の格差に大きな「運」のリスクが生じる。仮に、人が生まれる前に意思を持っていたら、能力が乏しく生まれたり、貧乏な家に生まれたりする「不運」が怖くて、安心して生まれることができまい。