ほろうみの正解するポジ

投資の立ち位置を正しく理解するための記録╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2023年12月15日の週_パウエルチャレンジ

パウエルFRB議長の来年度の利下げ見込み発言でドルが急落し、14日の東京外国為替市場では一時140円台まで下落した。

 

日本の金融政策は米国とは反対に、これから利上げ局面に向かうことになり、米国だけではなく世界の中でも特異性が際立っている。この状況もあって、18日からの日銀政策会合は市場関係者からの注目度が高く、大きな転換点になり得るので警戒が必要だ。

 

チャレンジングなマクロ市況は不確実性の高まりであり、チャンスでもある。

全力一点集中で数字を出しているところよりも、全方位展開で種まきしつつそれなりの数字を出しているところを長期目線で狙いたい。

 

 

 

 

 

チェック事項

  • ドル円が乱高下で一時140円台まで円高
  • 10月7日にハマースによるイスラエル侵攻
  • マザーズ指数がコロナ後高値の半分まで下がる
  • 中国の信託会社が次の火種かも
  • 18日から日銀政策会合

 

キーワード

人的資本開示、2024年問題、輸入物価とCPIのタイムラグ、高速道路リニューアルPJ、新興国の債権危機問題、商用不動産価格下落、ギガキャスト、新NISA、レラティブストレングス、リテールメディア、生成AIの実経験への影響、フードデザート

 

2023年度のトレード方針

  • キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
  • 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード
  • ドル円100円~150円のレンジを越えてくる事態になれば一段と強い警戒モードに
  • 自分がショートしやすいと思った銘柄は他の人もそう思っているのでプレミアムがないと想定しておく

 

2023年銘柄選別基準

  • 将来的にROE30%超(非IT系は15%超)が期待できるか?
  • すでにROE30%超(非IT系は15%超)の銘柄はそれを継続することができるか?
  • 直近EPSの10倍以上の成長余地はあるか?
  • 直近売上の10倍以上の成長余地はあるか?(高成長株のみ)
  • トップラインで2割超成長を継続可能か?(高成長株のみ)
  • 1人あたりの売上を維持つつ従業員数を増やしているか?
  • 一時的なネガティブ要因(グリッチ)で評価が下がっているか?
  • 非連続の成長期待要因(カタリスト)が株価に反映されていないか?
  • マクロの逆境下でも根を伸ばし続けて強靭になれるイメージがあるか?
  • 経営者は適切なバランス感覚を持っているか?

 

 

 

みずほリサーチ&テクノロジーズ : みずほ経済・金融ウィークリー(2023年12月12日号)

米国ストライキの影響を除けば雇用は緩やかな減速を続けていると判断
足元の設備投資を牽引する製造業の工場新設も今後ピークアウト
欧州:企業の収益マージン縮小が物価下押し要因に
中国:輸出はプラスも昨年の反動要因が大。内需の弱さを反映し低インフレが継続
アジア:インフレ緩和は足踏み。エネルギー・食料品価格が主導
日本:11月の都区部・日銀版コアCPIは前月比±0.0%と減速基調が鮮明に
2024年春闘に向けて強気の賃上げ要求方針が続出
企業倒産件数は高水準続く
金融市場:潮目が変わりつつあるドル円
ECBの利下げ観測の高まりを受け、欧州株上昇。DAXは過去最高値

 

スイス高級時計、「輝かしい」ブームにお別れ-消費者心理に変化 - Bloomberg

スイスの時計輸出は7月、過去2年余りで初めて減少に転じ、ここ数カ月の平均伸び率は上期のペースを大きく下回っている。

中古時計に関しては、1年余り値下がりが続いている。ブルームバーグ・サブダイヤル・ウオッチ指数は最も取引額の多い50モデルを追跡しているが、価格は22年4月のピークから約42%下げている。

20年序盤のパンデミック発生を受け、生産施設はコロナ対策のロックダウン(都市封鎖)対応するため閉鎖された。小売店ではシャッターが下ろされ、対面販売を停止。クオーツ腕時計の登場に伴い1970年代や80年代に起きたいわゆる「クオーツクライシス」と似たような危機に陥るとの懸念もあった。

しかし、実際はその逆だった。パンデミックは裕福な人々に人生は短いとあらためて感じさせた。インスタグラムやユーチューブでロレックスの「デイトナ」やパテックフィリップの「ノーチラス」を自慢する新世代のソーシャルメディアインフルエンサーの触発もあった。

再開した店舗では顧客が列を成し、月面で着用された最初の腕時計として有名なオメガ「スピードマスター」の廉価版である「ムーンスウォッチ」をスウォッチグループが2022年3月に発売したときには大人気になった。 

こうしたブームにより、スイスの時計輸出は21年に過去最高を更新。この年、米国が中国を抜いて最大の市場になった。22年も記録を塗り替えた。スイスの時計業界は今年も過去最高の業績を記録する勢いだが、これは上期が中心だ。市場は最近、より不安定になっている。

「9月と10月は厳しかった」と3000-5000フランのエントリー価格でスポーティーな腕時計を製造しているノルケインのベン・カッファーCEOは言う。「いつもよりずっと鈍い。米国では間違いなく鈍化した」と指摘し、ハマスイスラエルの戦争が消費者心理の変化の一因との見方も示した。同CEOは今年の売り上げを50%増と予想していたが、30%増に下方修正した。

 

香港で証券会社の閉鎖相次ぐ、株価低迷でハンセン指数4年連続安へ - Bloomberg

香港の4兆6000億米ドル(約670兆円)規模の株式市場の歴史的な低迷が、域内金融業界を直撃している。

香港証券取引所のデータによると、地元証券会社の閉鎖は2022年に過去最多の49社を記録した後、今年は30社に上っている。ゴールドマン・サックス・グループなどウォール街の大手金融機関は新規株式公開(IPO)の急減を受け香港でディールメーカーをレイオフしている。

ハンセン指数は史上最長の4年連続安に向かうペースにあり、8日終了週には1年ぶりの安値に落ち込んだ。1日の平均売買高は5年平均を14%下回り、IPO市場は01年以来最悪の年となる方向だ。

香港の極端な新型コロナウイルス対策と中国政府の国家安全維持法(国安法)の導入を受け、アジアの国際金融センター首位の座の行方に疑念が広がっており、長引く株安や人員削減がそれに拍車をかけている。

香港の証券会社ブライト・スマート・セキュリティーズのエドモンド・ホイ最高経営責任者(CEO)は、「証券会社の閉鎖やレイオフの波は、これまで見た中で最悪だ。重要なのは市場の流動性を高めることだ。今は誰もが苦労しており、トンネルの先に光が見えない」と述べた。

売買手数料と信用取引関連ビジネスを主な収益源とする中小証券会社は、市場低迷の矢面に立たされている。香港証券協会が今年行った現地ブローカー調査によると、昨年は72%余りが損失を出し、少なくとも25%以上が年内に業務を縮小する計画であることが分かった。

インスティネットの執行コンサルティングスペシャリスト、トニー・チャン氏は、香港株はビッド・アスク・スプレッド(株式の最良売り気配値と最良買い気配値の差)がアジア太平洋市場で最も大きく、これが機関投資家の取引コストを引き上げていると指摘した。

年初のアナリスト予想では、中国株はゼロコロナ政策終了を受けて回復に向かうと見込まれていたが、投資家心理は下向きに転じた。経済の低迷や消費の弱さ、米中関係の緊張、不動産危機で海外資金が逃避した。

UOBケイヒアンのウェルスマネジメント部門のチー・ワン最高投資責任者(CIO)は、流動性不足は「香港と中国に対する機関投資家の関心が過去最低水準に低下している」ことを示していると指摘。「世界の投資家はここ2年間で、香港の保有資産の大部分を売却した。今や多くの投資家は、グローバル・ポートフォリオの観点から中国を『重要でない』と考えている」と述べた。

 

イタリアの日本株ファンド、鉄道株買い増し-外需から内需へ資金移動 - Bloomberg

イタリアで日本株ファンド「ユリゾン・ファンド・サステナブル・ジャパン・エクイティー」を運用するファンドマネジャーは、鉄道株を買い増している。円高進行と日本でのインフレを見据えて外需企業から内需関連株に投資マネーをシフトさせる一環だ。

運用担当のジョエル・ル・ソー氏はブルームバーグのインタビューで、円安で上昇した自動車株を9月から売る一方、インフレ局面で収益向上が期待できる鉄道などの内需株を増やしていると明かした。固定資産で事業展開する鉄道は物価高でもコスト増の影響を受けにくく、運賃の値上げ効果も期待できるとした。ファンドの運用規模は10億8000万ユーロ(約1700億円)で、ブルームバーグのデータによると年初来リターンは34%と東証株価指数(TOPIX、ユーロベース税引き後配当込み)の31%を上回る。同種ファンドでは上位5%のパフォーマンスだ。

TOPIX33業種で自動車を含む輸送用機器は年初来パフォーマンスが3位、鉄道などの陸運は27位だ。ファンドの方針は自動車株を押し上げた円安が止まり、鉄道株に有利に働くインフレが進むとの予想に賭ける形になる。外需から内需への投資先移動にもなる。実際に金融市場では11月中旬から円が上昇に転じており、物価上昇に対応して日本銀行首脳は大規模金融緩和策の出口の影響に言及し始めている。

ル・ソー氏は日本のインフレ率について、低下はあってもデフレには戻らないだろうとして「大きな変化だ」と述べた。その上で安定的なインフレ局面下で鉄道株の成長を期待しているとした。有利子負債の多くは長期借入金で金利上昇の影響は限定的、むしろインフレ局面入りを象徴する政策金利の上昇は、運賃の引き上げを正当化してプラスだと指摘した。

 

ユーロ圏、コロナ禍後初のリセッション入りへ-ブルームバーグ調査 - Bloomberg

ユーロ圏は10-12月(第4四半期)が前四半期に続きマイナス成長となり、新型コロナウイルス禍以降で初のリセッション(景気後退)に陥る。ブルームバーグが実施した調査でアナリストらが予想した。

ユーロ圏の域内総生産(GDP)は0.1%減ると見込まれ、前回のゼロ成長から予想が修正された。2024年序盤に緩やかな回復が想定されている。

バントレオン銀行のエコノミスト、イェルク・アンゲレ氏は「今が回復の始まりであることは疑わしい。逆風は依然として強く、特に大幅利上げに起因する向かい風が強い」と述べた。

 

米財政赤字、11月は3140億ドルで過去最大 利払い費急増響く | ロイター

[ワシントン 12日 ロイター] - 米財務省が12日発表した11月の財政収支は3140億ドルの赤字だった。前年同月比で26%増加し、11月としては過去最大を記録。ロイターがまとめたエコノミスト予想の3010億5000万ドルも上回った。

歳入は9%増の2750億ドル。歳出は18%増の5890億ドルで、国債の利払い費が800億ドルに急増したことが響いた。

利払い費は昨年3月に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始して以降、膨らみ続けており、11月は国防費の660億ドルよりも多くなった。

歳出のうち項目別で最も大きかったのは社会保障費の1220億ドル。

 

岸田首相、安倍派裏金疑惑で14日の人事実施を表明-松野氏ら念頭 - Bloomberg

岸田文雄首相は13日午後の記者会見で、自民党安倍派による政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を受け、14日に人事を実施すると表明した。具体的な対象については明言を避けたが、松野博一官房長官ら同派に所属する4閣僚が念頭にあるとみられる。

岸田首相は裏金疑惑について「国民に疑念を持たれるような事態を招いており、極めて遺憾だ」と指摘した。2024年度予算案の閣議決定などを控えて国政の遅滞を回避するため、「あす速やかに人事を行うことが適切だと判断した」と語った。「信頼回復のために火の玉となって自民党の先頭に立ち、取り組む」とも発言した。来年の総裁選への対応を問われたが、先のことを考えている余裕はないと述べるにとどめた。

NHKによると、岸田首相は安倍派で事務総長も経験した松野氏や西村康稔経済産業相ら閣僚4人を交代させる方針だ。党幹部では萩生田光一政調会長、高木毅国会対策委員長が辞任する意向という。世耕弘成参院幹事長は辞意を政権関係者に伝えたと一部で報道されたが、毎日新聞によると同氏は「現段階では否定する」と記者団に語った。

安倍派は自民党所属国会議員の約4分の1に当たる99人を擁する党内最大派閥。岸田首相は松野、西村、萩生田各氏ら「5人衆」と呼ばれる幹部を要職に起用し、協力を得てきた。仮に同派幹部が全員外れる事態となった場合、政権の弱体化は避けられない。政治資金を巡る疑惑は自民党全体の問題として国民から厳しい目を向けられており、支持率の低迷が続く岸田政権の求心力の低下につながっている。

 

欧州不動産、1760億ユーロが借り換え困難-今後4年償還の4分の1超 - Bloomberg

不動産サービス会社、CBREグループによると、欧州では今後4年間に巨額の不動産債務が返済期限を迎えるが、その4分の1以上が借り換えられない可能性がある。

同社の分析によると、2019-22年にかけて実行された推計6400億ユーロ(約10兆円)の融資と、現在借り換え可能な金額との間には、1760億ユーロものギャップがある。CBREは24-27年にかけての潜在的な不足額の規模を調査した13日のリポートで、不動産価値が低下し、借り換えに応じる貸し手が減ると同時に借り入れコストが上昇していることを指摘した。

銀行は、資産価値の急落とバランスシート上の問題不動産ローンの増加に直面し、融資を抑制している。資産価値の下落に伴い相対的に債務負担が増大している借り手にとって、既に厳しい環境はさらに悪化。借り手は新たな融資を確保するために追加のエクイティーを注入したり、売却可能な資産を売却したりしている。

タソス・ベジリディス氏らリポートの筆者は「欧州の不動産市場は過去2年間、困難に直面してきた。市場の状況はレバレッジを効かせた投資家にとって特に厳しい」と指摘した。

 

【米国市況】株・債券が大幅高、FOMCハト派との受け止め-円急伸 - Bloomberg

公表された最新のドット・プロット(金利予測分布図)では、当局者が来年75bpの利下げを見込んでいることが示され、9月時点から想定の利下げペースが切り上がった。これを好感してS&P500種株価指数は4700を上抜けた。ダウ工業株30種平均は過去最高値で終えた。金利スワップ市場では2024年の利下げ確率が上昇。向こう1年で約140ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の緩和を織り込んだ。

パウエル連邦準備制度理事会FRB)議長は失業率の急上昇を招かず、インフレが緩和していることは朗報と述べ、金融政策はかなり景気抑制的な領域に入っているとの認識を改めて表明。インフレは鈍化したかもしれないが、なお高すぎるとし、金融当局は慎重に進めていると続けた。

朝方発表された11月の米生産者物価指数(PPI)は、エネルギーコストの低下が影響し、前年比で上昇率が減速した。12日公表された消費者物価指数(CPI)統計でも、総合指数の伸びが前月比で加速したものの、前年比では鈍化しており、インフレ率がFRBの目標に向かって下がっているとの見方を強めた。

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが急落。米金融当局が9月時点よりも1回多い、来年3回の利下げを見込んでいることが明らかとなり、ドル売りが膨らんだ。

円は対ドルで急伸。FOMC前は145円台で推移していたが、政策発表とパウエル議長会見を受けて上値を伸ばし、一時は1.9%高の142円65銭まで買われた。米国債利回りが低下する中、投機筋やモデルによるドル売りも出た。

ポンドも対ドルで上昇。英国の10月の国内総生産(GDP)が予想以上に縮小したことで、イングランド銀行(英中央銀行)による来年の利下げ観測が高まり、当初は売られていたが、FOMC後に切り返した。

 

日銀は利上げで来年も世界の中銀で特異な存在に-FRB利下げへ - Bloomberg

長きにわたりデフレ退治に挑む日本銀行は、世界の中央銀行の中で特異な存在であることに慣れてしまった。それは2024年も変わらない可能性が高い。

消費者物価が1年半余りにわたり物価目標の2%を上回る水準で推移する中、植田和男総裁は世界最後のマイナス金利政策を撤廃するとの見方が広がっている。一方、市場では米連邦準備制度理事会FRB)がほぼ同じ時期に利下げを開始するとの見通しが強まっている。

「今できるのか、もうできないのかという状況」と語るのは、日銀出身で物価研究が専門の渡辺努東京大学大学院教授。「もし今回の局面で正常化できない場合は、残りの任期は同じ金融緩和を続けていくしかないだろう」との見方を示す。

日銀の氷見野良三副総裁は6日の講演で、大規模な金融緩和政策からの出口が家計や企業、金融機関に与えるメリットに言及。7日には植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことから、市場には早期の政策正常化観測が急速に強まった。

総裁発言を受けて7日の東京市場では急速に円高が進み、10年国債利回りが今年最大の上げ幅を記録した。金融政策予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場は、1月会合までのマイナス金利解除(0.1%の利上げ)の確率を4割弱と見込んでいる。

事情に詳しい複数の関係者によると、日銀は今月18、19日の金融政策決定会合で、政策正常化に急いで踏み出す必要性はほとんどないと認識しているという。ブルームバーグエコノミスト52人を対象に1-6日に実施した調査では、マイナス金利解除が来年4月会合までに行われるとの予想が67%で、最多は4月の50%だった。

一方、FRBは13日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、3回連続となる主要政策金利の据え置きを決定した。24年に複数回にわたり、合計で0.75ポイントの利下げを行うことも示唆され、積極的な利上げキャンペーンが終了したとのシグナルを明確に発した。

FOMCの決定を受け、事前に利下げけん制を想定していた市場は大きく反応し、米金利は期間が短い債券利回りを中心に低下。米金利先物市場が織り込む利下げ開始時期は3月が80%程度とFOMC決定前の40%程度から大幅に上昇した。14日の東京外国為替市場では、円相場は対ドルで1%超上昇し、一時140円台を付けた。

日銀は来年の春闘の重要性に何度も言及しているが、持続的・安定的な物価2%の実現に必要な水準や判断できるタイミングなどは明らかにしていない。植田総裁は10月の会見で、「見通し実現の確度が少し高まってきていることは事実」としつつ、「ある程度以上のところに来てほしいという、その閾値(しきいち)みたいなところにまだ達してない」と説明した。

米ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長は、日銀の金融政策について「もし春闘が低調に終わり、24年6月、7月に低いインフレ率の数字が出始めれば、正当な理由による利上げは難しくなるだろう」と指摘。その上で「純粋な予想として、3月末までに利上げが行われる可能性は50ー70%だとみている」と語った。

一部のエコノミストは、日銀の政策正常化によって日本の投資家が資金を自国に還流させた場合、国際金融市場に影響を与えることを懸念している。国内総生産(GDP)の約1.3倍に膨らんだバランスシートが出口局面で日銀財務に与える影響に加え、保有する多額の国債や上場投資信託ETF)の処理方法、日本の財政負担の拡大など課題は山積している。

ハーバード大学ケネス・ロゴフ教授は、「最も深刻な金融危機は、思いがけないところで起こることが多い」とし、「日本の復活は世界経済にとって良いことだが、日本の金利が復活することは大きなリスクとなり得る」と述べた。

 

オーケーやロピア、首都圏ディスカウントの大激戦 消費者の価格選好が強まり地場スーパーは危機 | 百貨店・量販店・総合スーパー | 東洋経済オンライン

こうした背景を踏まえながら、家計調査のデータから2023年1月以降の所得階層別の家計への影響具合をみると、あたりまえだが、所得が少ない層(中小企業勤務者が多いと推定)ほどダメージが大きいことがわかる。

収入に占める食品支出額の割合の推移をみると、所得が少ない順に(所得階層は少ない順に1→5)食品支出の割合が増加している。所得が高い層では若干比率は上がっているものの、ほぼ横ばいとなっており、改めて食品価格上昇の影響は所得が少ない層の家計にダメージが大きいことを確認させる結果となった。

食品という必需支出が値上がりしてしまったため、子育て世代や年金に依存している世帯などは節約モードに移行せざるをえない。となると、耐久財への支出先送り、外食・娯楽といった支出の削減、そして、必需品購入における店舗の価格選考ということになるだろう。

生活必需品の買い物についていえば、具体的には、これまでの使っていたスーパーを見直して、①ディスカウントストアを使う、②ドラッグストアで買う、③絶対額で安くなるプライベートブランド商品を選ぶ、という行動になるだろう。