ほろうみの正解するポジ

投資の立ち位置を正しく理解するための記録╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2022年2月25日の週_ロシアがウクライナに軍事侵攻

24日にロシアがウクライナに軍事侵攻した。SNSで流れてくる状況報告に気分が重くなる。

正直に言うと、この急展開が想定していなかった。投資家としてリスクとリターンの短いサイクルに接する日々が、気づかないうちにリスクに対して近視眼的に仕向けていたのかもしれない。プーチン大統領がこのような賭けに出ることは考えられなかった。

 

「もうバッドエンドは避けられない。どれだけ小さなバッドエンドで留まることができるかだ。」

誰かがこう言っていたけど、楽観的な結末を見出すのは難しいことには残念がら同意せざるを得ない。今の状況を変えるために個人にできることはないので、極論に振り回されないで我慢強く状況を見つめて対応するしかない。

 

 

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留意事項

  • 岸田新政権と投資家との距離感、内閣支持率はピークアウト
  • 欧州に原発回帰の動き
  • 24日にロシアとウクライナに軍事侵攻
  • 日本国内のオミクロン感染はピークアウト
  • TOPIXのルール変更 10月以降に不動化の定義変更
  • 株価下落局面でMBO、TBOを実施する企業が出てきている
  • 金利上昇とインフレ 米国の企業の債務残高が過去最高水準に

 

注目テーマ

  • ROE銘柄 非製造業で30以上、製造業で20以上のROEが将来的に期待できる企業
  • 外需 (中国および東南アジアの中古車関連、アニメ&漫画関連など)
  • プラットフォーム型 (自社が保有するデータを活用できる企業)
  • 社会課題解決型 (業績改善よりは高レベルの課題)
  • 資源リサイクル関連
  • 3年以内に2倍のROE25を意識
  • 内需+地方で成長  外需+新興国で成長

 

2022年度の方針

  • 基本的に昨年のやり方を継続し、現物の主力枠の銘柄はなるべく動かさない
  • 主力枠以外の銘柄は含み益があるうちに利益確定を意識
  • 小型株にさらに資金が抜けたときのプランB(考え中)を用意しておく
  • キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
  • 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード

 

 

23年の利上げ織り込む市場 日本の金利予想プラス圏: 日本経済新聞

中長期の国債利回りも欧米に連動して急ピッチに上昇してきた。日銀は14日、長期金利の指標となる10年物国債利回りを0.25%以下に抑えるため、国債を指定した値段で無制限に買う「指し値オペ公開市場操作)」を実施し上昇にブレーキをかけた。ところが、5年債や20年債の利回りは上昇がとまらない。

「まだ第1幕。次は物価上昇がはっきりと見えてくる夏以降か」。日本国債のトレード規模が数兆円と大きい英キャプラ・インベストメント・マネジメントの浅井将雄氏は金利上昇の波は今後も続くとみる。世界の主要中銀が引き締めにカジを切っており、海外との金利差から円安が加速したり、物価上昇が本格化したりすれば、日銀はいつまでも金利を人為的に抑えつけてはいられなくなるためだ。

次の修正はマイナス金利長期金利の誘導と市場は読む。だが、政策転換は難路だ。「今の経済システムは低金利を前提に構築され、政府債務は膨張し、低金利の住宅ローンが組まれている。こうしたシステムが想定以上のダメージを負うリスクがある」(東短リサーチの加藤出氏)。異次元緩和後、政府債務は22%増えている。

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「中古住宅買い取り再販」参入相次ぐ、住宅メーカー大手の勝算(ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース

中古住宅の買い取り再販事業の取り組みが広がっている。矢野経済研究所によると、中古の一戸建、マンションの買い取り再販戸数の合計は2025年に、15年比約2倍の5万件に達する見込み。

住宅の買い取り再販事業は住宅メーカーなどが住宅を買い取り、リフォームした後に再度販売する仕組み。日本は諸外国と比べて中古物件の流通が圧倒的に少なく、空き家問題が深刻化している。買い取り再販事業は既存住宅の流通を促す一つの施策として近年注目されている。 
  
 高齢者夫婦が老後に利便性の高いマンションに住み替えたり、高齢者施設に入居する際や、親族から相続したオーナーが住宅管理コストの負担を考慮し、売却を検討するケースが増えている。

 仲介売買では、売主が事前の説明義務などを怠った際に売買金額の減額などが発生する契約不適合責任を買い主に対して負う可能性がある。一方、買い取り再販では住宅メーカーが買い取るため、「売ったら終わりという点で売主にとって手離れがいいメリットがある」(積水ハウス不動産ホールディングスの佐久間貴也主任)という。 

 

東京製鉄、建設用鋼材値上げ 3月契約、電気代も転嫁: 日本経済新聞

東京製鉄は21日、建設用鋼材のH形鋼や異形棒鋼などの3月分の契約価格を前月から1トン3000円(2~3%)引き上げると発表した。原料に使う鉄スクラップの価格や電力コストの上昇を踏まえ、2021年11月分以来4カ月ぶりに値上げする。熱延鋼板や厚鋼板などの鋼板類は前月から据え置く。

 

3月分は、鉄骨造(S造)のビルなどで柱や梁(はり)に使うH形鋼が1トン11万4000円。しまH形鋼が同12万4000円。みぞ形鋼が同11万円。鉄筋コンクリート造(RC造)の建物で鉄筋に使う異形棒鋼が同9万2000円。製造業で幅広く使う熱延鋼板は前月と同じく1トン11万4000円となる。

 

海外で日本語熱 アニメ通じ関心、1500万人がアプリ学習: 日本経済新聞

鬼滅の刃」をはじめとする日本アニメやサブカルチャーの人気をきっかけに、海外で日本語の学習熱が高まっている。世界最大級の言語学習アプリ「Duolingo(デュオリンゴ)」の利用データを調べたところ、日本語は2021年に世界165カ国・地域のうち、19カ国で学習者の多い言語トップ3に入った。

国・地域ごとの人気言語ランキングを調べたところ、日本語は19年に12カ国、20年に15カ国、21年は19カ国でトップ3位に入った。英語(138カ国)、フランス語(111カ国)、スペイン語(106カ国)、ドイツ語(44カ国)に続く5番目の多さで、イタリア語(14カ国)を上回る。日本語コースの登録者数は世界で1500万人を超え、主要言語のなかで学習者数の伸び率がもっとも高い。

21年にトップ3に入った19カ国のうち、13カ国をアジアが占めた。フィリピン、マレーシア、ミャンマーブルネイの4カ国では日本語が英語を抑えてトップ。2年前にはランク圏外だったタイやネパール、ブータンラオスといった国でも2〜3位に入った。中国では3年連続で英語に続く2位だ。

デュオリンゴによると21年に日本語を学び始めた人の学習動機の第1位は「文化への関心」で18%。文化が動機となった比率は英語(8%)、スペイン語(9%)、フランス語(10%)の2倍近い。国際交流基金の調査(複数回答可)でも「日本文化への興味」が6割強と、「仕事」や「留学」(ともに4割)を上回る。

国内で歴代1位の興行収入を記録した映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は世界45カ国以上で上映され、アジア版のアカデミー賞とされるアジア・フィルム・アワードで21年に最高興行賞を受賞。日本のアニメやマンガなどの海外ファンの大手口コミサイト、マイアニメリスト(MyAnimeList)によると、「鋼の錬金術師」や「進撃の巨人」の関連コンテンツのファンも多い。

 

株急落にサイバー戦の影、「IT大国」ウクライナ巡る攻防: 日本経済新聞

「ロシアはサイバー犯罪で世界をリードする」(バロンズ)とされる。かたやウクライナは、日本人にはあまり知られていないが、「東欧のシリコンバレー」と呼ばれるほどIT産業が活発で、コストが低く優秀な人材の宝庫といわれる。人材は首都キエフのほか、東部のハリコフやドニプロといった都市にも集まる。

やや古いデータだが、日本貿易振興機構ジェトロ)によれば2018年のウクライナのIT産業の市場規模は約45億ドル(現在のレートで約5200億円)。10年で8倍強に成長した。

ジェトロの報告書は、米アマゾン・ドット・コムや米アルファベット傘下のグーグル、中国の華為技術(ファーウェイ)、韓国のサムスン電子など世界のIT大手が研究拠点を設け、人材獲得にしのぎを削っていると伝える。ロシアにウクライナのIT人材が吸収されれば、世界のセキュリティー事情に大きな影響が及ぶ可能性は否定できない。

 

ロシア、ウクライナ侵攻の目的は?: 日本経済新聞

ロシア政府は24日、ウクライナ軍の施設を巡航ミサイルなどによる空爆で破壊したと発表しました。地上部隊が侵攻したとも伝えられています。各都市で爆発音が確認され、首都キエフでは空港を巡り戦闘が発生しました。ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの断交を表明し、国内全土に戒厳令を発令しました。

侵攻にはNATOの東方への拡大を阻止する意図があります。プーチン氏はウクライナが加盟すれば「ロシアを攻撃する前線基地になる」と述べていました。米欧は1月下旬に拡大停止の確約を拒否すると書面で示しており、ロシアは軍事力に訴える実力行使に出たといえます。

プーチン氏は「占領は計画に入っていない」と述べました。現政権を転覆させ、かいらい政権を樹立して間接的に統治する狙いがあるようです。軍事だけでなくサイバー攻撃を含めた作戦を展開し、親ロシア派勢力や有力企業家を利用した工作を本格化させる恐れがあります。

 

ガソリン補助金上限、5倍の25円に 原油急騰で3月から: 日本経済新聞

政府はガソリン価格抑制のため石油元売りに配る補助金の上限を1リットルあたり25円と現行の5倍に引き上げる。3月から実施する。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、原油の国際価格が1バレル100ドルを突破するなど高騰に歯止めがかからないためだ。3月末までを予定してきた支給期間も延長する。

だが原油高が想定以上に進み、支給額はすでに上限の5円に達した。21日時点の小売価格は172円となるなど目標に収まらなくなったため、3月から支給上限を25円に引き上げる。

首相はガソリン税を引き下げる「トリガー条項」の凍結解除も選択肢と説明してきたが、機動性を重視してまずは補助金を上積みする。トリガー条項を発動した場合の減税額は25.1円で、補助金の支給上限もほぼ同水準にそろえる。

 

ウクライナに全てを賭けるプーチン大統領: 日本経済新聞

プーチン氏は「リスクへの欲望は増えるものでも、減るものでもない。リスクは常に正当化されるべきだ」と答えた。一方で、ロシアにはリスクを取らない者はシャンパンを飲むことはできないということわざがあると語ったうえで、「ここはそのことわざを使う場面ではない」と締めくくった。

多くの専門家はソ連崩壊後のロシアの不満に注目している。すなわち、①北大西洋条約機構NATO)の東方拡大、②米国主導で行われたイラク戦争リビアカダフィ政権崩壊、③将来的に隣国のジョージアグルジア)やウクライナNATOに加盟し、独裁国家のロシアが欧米型の民主主義に囲まれるーーなどだ。だが、もう一つ大事な視点が抜けている。プーチン氏は「西側の衰退」という物語を信じているのだ。

インタビューで私は、プーチン氏に欧米諸国でポピュリズム大衆迎合主義)が台頭していることについて考えを聞いた。英国の欧州連合EU)からの離脱(ブレクジット)や米国でのトランプ大統領誕生だけでなく、フランスやドイツ、スペインやイタリアでもムーブメントが起きていた。ロシアもこうした流れと無縁ではいられないのではないかと問うた。

プーチン氏は、少し落ち着きを失ったかのようにみえた後、次のように答えている。権力を持つ人が忘れるべきではない政府の目的とは、「普通で安全で安定していて、かつ先の読める生活を一般の人たちがおくれる社会を作ることだ」。西側のエリート層はこの点を忘れたために、大衆と距離ができてしまったと指摘した。そして、「リベラルな考え方は時代遅れになった。国民の大半と対立するようになった」と総括した。

中国政府は本土から100マイル離れた台湾に対して歴史的な権利を主張してきた。西側による強い意志の欠如は、罪を問われないとして中国による台湾掌握などの行為も助長することになりかねない。米国のある高官は「同盟国ではなく、パートナーが心配だ」と語っている。

プーチン氏は、西側の民主主義諸国が長期間の対峙に備えた胆力を持ち合わせていないことに賭けている。彼はクリミア半島を占領した後に受けた非難を乗り切った。外貨準備を数千億ドル規模に積み増し、原油価格高騰の恩恵も受けている。そして習近平国家主席が率いる中国にも近づき、米国に対して二正面作戦の再考を促している。

 

CNN.co.jp : ロシアへの金融制裁、回避がかつてないほど容易に ビットコインの普及受け

米国と欧州連合(EU)の制裁は、規制を執行するうえで各金融機関への依存度が極めて高い。制裁対象となった企業や個人がドルやユーロといった従来の通貨で取り引きをしようとした場合、それらに警告を与えて阻止するのは各金融機関の責任となる。

ところがデジタル通貨は標準的な世界の金融システムの外に位置している。取り引きはブロックチェーンと呼ばれる公的なデジタル台帳に記録される。

マネーロンダリング資金洗浄)に対抗する取り組みの専門家、ロス・デルストン氏は「仮にロシアが暗号通貨以外の通貨を一切使用しないと決断するのであれば(すでにそうしていることは間違いないと思うが)、彼らは事実上すべての制裁をすり抜けることが可能になる」と述べた。

 

コラム:ロシア侵攻でインフレ加速・長期化へ、岸田政権に覚悟はあるか | ロイター

ロシア軍のウクライナ侵攻に対し、米国や欧州連合(EU)、日本などの西側諸国は強い非難と経済制裁の発動を公表したが、ロシア軍の侵攻が止まる気配はない。軍事専門家の一部では、首都キエフをロシア軍が占領し、親ロシア政権を樹立するのがプーチン・ロシア大統領の戦略目的ではないかとの見方が出ている。

仮にそのケースが現実化した場合、米欧日からの経済制裁は格段に強化され、実施期間も長期化することが予想される。「経済制裁は有効性が低い」との指摘が軍事専門家の中から出てくることが多いが、今回は意外に効くかもしれない。

ロイターは24日、ロシア産石油の購入を巡り、西側諸国の銀行が信用状(L/C)の発行を断ったと報道した。この動きが広がれば、ロシアは貿易金融に支障をきたし、石油販売代金の回収が難しくなる可能性が高まる。そもそもロシアの国内総生産(GDP)は2020年で1兆4700億ドル程度と、韓国の1兆6300億ドルを下回って世界で11番目。大国のイメージとは異なって「兵糧攻め」には弱い経済構造となっている。

ただ、経済制裁の効果が発揮されるまでには、かなりの時間がかかる。このため西側諸国の制裁は1年を超える可能性がある。その際に問題になるのは、まず、原油価格の高騰だ。

25日の北海ブレント先物は1.99ドル(2%)高の1バレル=101.07ドル。米WTI先物CLc1>は1.89ドル(2%)高の同94.70ドルと上昇中。ブレント先物は24日、2014年以来初めて100ドルを突破していた。欧米投資銀の中には、1バレル=120ドルから150ドルまで上昇するとの予測を公表しているところもある。経済制裁の長期化は、原油価格の高騰が長期化する可能性を強く示唆する現象だ。

また、小麦やトウモロコシなどの生産・輸出の減少にもつながると予想されている。2019年の小麦世界生産を見ると、3位がロシアで7445万トン、7位がウクライナの2837万トン。世界生産の約3割を占めており、輸出ができなくなれば小麦価格の高騰に直結する。2019年の飼料作物のトウモロコシの輸出では、4位のウクライナのシェアが13.3%。8位のロシアが1.3%となっており、牛肉価格の大幅上昇につながる恐れがある。

値上がり懸念は、食料関連だけではない。電気自動車(EV)のバッテリーの原料となるニッケル生産でロシアは世界4位のシェアを持っている。半導体生産に欠かせないパラジウムもロシアが主要生産国であり、これらの鉱物輸出が滞る事態になれば、鉱物価格の値上がりや品不足、EVや半導体の生産停滞につながりかねないインパクトをはらんでいる。

このように世界的な価格押し上げ要因が目白押しであり、インフレは減速する兆しを見せず、加速する方向で推移すると予想する。

 

21年の出生数、過去最少84万人 コロナ禍で少子化加速: 日本経済新聞

厚生労働省は25日、2021年の出生数(速報値)が84万2897人だったと発表した。20年と比較すると2万9786人(3.4%)減り、6年連続で過去最少を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、婚姻数が減り妊娠を控える動きも強まった。死亡数は大幅に増えて戦後最多だった。

21年の死亡数は20年比6万7745人増の145万2289人。出生から死亡を引いた自然増減は60万9392人減となり、初めて60万人を超えた。

出生数は21年1~2月の落ち込みが目立つ。この時期は20年春に妊娠した人が出産を迎えるタイミングにあたるが、新型コロナの感染拡大初期と重なっており妊娠控えの影響が出た。

 

プーチンは失敗した?フリードマン論文 : 地政学を英国で学んだ

ロシア軍は最終的に勝利するかもしれないが、戦争の初日は、常にありそうなこと、つまり今後どのような軍事的勝利を収めようとも、プーチンにとって政治的に勝つことが並々ならぬ困難な戦争になることを確認させたのだ。

例えば、欧米の制裁の設計と実施は、ロシアがウクライナを蹂躙しているよう見えた状況では、まったく違った印象を与えただろう。つまり「ウクライナに起きたことは悲劇だが、ほとんど何もできない状況であり、高価なジェスチャーも無意味である」という主張を、懲罰的なものに反対する人たちに提供できたのかもしれない。

プーチンは、多くの独裁者と同様に自国民に対して恐怖心を感じており、自国民の犠牲がさらに増え、ウクライナでの蛮行、国際的非難に対して彼らがどう反応するかを心配し始めた可能性がある。

たとえばウクライナ東部での限定的な作戦は「時間をかけて維持して守ることのできる地域を切り取る」という意味では、ある程度理にかなっていた。だが現在の作戦の規模の大きさは、実質的にキエフでの政権交代を求めるものとなるため、まるで意味をなさないものだ。米国と英国は、イラクアフガニスタンで、これがいかに難しいかを苦い経験で学んだ。簡単に言えば、外国が就任させた、地元に根ざした比較的信頼できる指導者(ロシアにそのような人物がいることは明らかではない)であっても、その正統性には限界があり、すぐに占領軍に権力の維持を頼ることになるのである。

たとえウクライナ政府が首都を失い、脱出を余儀なくされ、ウクライナ軍の指揮系統が崩壊し始めたとしても、それは自動的に「ロシアの勝利」とはならない。「占領軍の後ろ盾なしに従順な人物をウクライナ大統領に据えて長続きさせられる」と考えるのは、ウクライナの国民性の根源を理解できていない人たちだけであろう。

ロシアが軍事的目標を達成したかどうかだけに注目しないことだ。むしろ注目すべきは、市民の抵抗や反乱に対してロシア軍が占領した地域をどこまで維持できるかという点だ。

戦争(私は多くの例を研究してきたが)について重要なのは、戦争が計画通りに進むことはほとんどないということだ。偶然の出来事や作戦の不手際で、突然戦略の転換を迫られることもある。意図しない結果が、意図したものと同じくらい重要な意味を持つこともあるのだ。すべての戦争にはこのような落とし穴があり、だからこそ戦争は正当な理由(中でも最も説得力があるのは自衛権の発動だ)があって初めて着手されるべきものなのだ。

民主国家では、長期的な視野に立ち、懐疑的な国民を納得させたり、批判に耳を傾けたり、法の支配のような厄介な制約に縛られたりすることなく大胆な手段を取ることによって我々を出し抜くことができる独裁者と比較して、我々の意思決定の曖昧さ、一貫性のなさ、近視眼性、そして惰性などを嘆くことになることが多い。だがプーチンは、独裁政治が大きな過ちを招く可能性があることを思い起こさせてくれる。もちろん民主制度は、我々自身が過ちを犯すことを決して排除するものではないが、少なくとも、過ちを犯したときに新しい指導者や新しい政策に速やかに移行する機会を与えてくれるものである。それが今、ロシアで起こってくれれば良いと思うが。

 

トーマス・フリードマン「この戦争には歴史的な類似点がない」 | 『フラット化する世界』著者、「接続された世界における最初の戦争だ」 | クーリエ・ジャポン

こうしたウクライナEUの関係をロシアが解消しなければ、ウクライナは西側諸国側にとどまり続ける。また、解消すればウクライナの経済は締め上げられる。逆にEUがロシア支配下ウクライナを手放せば、プーチンウクライナの経済を維持するためにロシアの資金を使わなければならなくなる、とフリードマンは指摘する。

しかし、中国経済ウクライナへの依存度はロシアよりも高い。さらに、中国は2020年にEUの最大の貿易相手国になっており、EUがロシアとの紛争に巻き込まれてしまえば支障が出る。なぜなら、中国の安定は、巨大な中産階級を維持し、成長させることができるかどうかにかかっており、さらにこれは世界経済の安定と成長にかかっているためだ、とその理由を述べる。

最後にプーチン大統領が見落としているものは、相互接続された今日の世界における指導者の「影響範囲」だという。

フリードマンは、今日では指導者の「影響範囲」はもはや歴史や地理から付与される資格ではなく、むしろ他者を刺激し、強制することなく、日々獲得し直さなければならないものだとし、SNSインフルエンサーの影響力に言及。

 

ロシア大手銀行を国際決済網から排除 米欧、中銀も制裁: 日本経済新聞

【ベルリン=石川潤、ワシントン=坂口幸裕】米欧カナダの6カ国と欧州連合EU)は26日、ロシアに追加制裁する方針を表明した。ロシアの中央銀行に初めて制裁を科し、ロシアの外貨準備を使えなくして通貨ルーブルの防衛を困難にする狙いだ。大手銀行などを国際決済網から排除することも決めた。数日中に実施する。岸田文雄首相は27日、米欧の制裁への参加を表明した。

ロシアの持つ外貨準備は6300億ドル(約73兆円)で、うちドルやユーロなど外貨が5000億ドル分あり、資産凍結などの制裁対象になる。日銀にも円建ての外貨準備を数兆円規模で抱えている。金は1300億ドル分あり、ロシア国内で保管しているとみられる。

中銀への制裁はロシアの意表をつく形で米欧が打ち出した。市場にとってもサプライズで、ルーブルが急落する可能性がある。