週初めから潮目が良い方向に変わってきたと思ったら、週末に怪しくなってきた。10日に発表された米国の5月消費者物価指数(CPI)が40年5ヶ月ぶりの高水準で、これを受けて米国市場が急降下した。下降トレンドからのV字回復期待に冷水を浴びせることになった。月曜日の日本市場にも影響を及ぼしてくるだろう。
潮目が変わっと言えば、日本国内のインフレへの反応も以前とは別のものになってきている。ここまで露骨な値上げ反対運動からの円高、デフレ容認主張、黒田日銀総裁の辞任要求はこれまであまり見られなかった。
今までなら一部の左派野党が便乗するだけで終わって、国政が影響を受けることはなかったが、なんでも話を聞きすぎる岸田政権だと方向性にブレが生じることがあるかもしれない。批判を受け止めてデフレ脱却の撤回なんて主張するもんなら不確実性が高くなってとんでもないことになる。
インバウンドへの期待が関連銘柄の復調にも見て取れる。この分野は完全に乗り遅れてしまったが、今からでもこの流れに乗るべきか、静観するべきか迷ってる。現時点の観光客受け入れのスピード感に対して期待が乗りすぎている気もする。
留意事項
- ロシアの軍事侵攻から100日経過
- 円安と原材料高騰 1ドル134円タッチ
- 米国市場と日本市場の相関性の低下
- 日本のコアCPI2.1%上昇(コアコアCPIは0.8%) 一時的な数字か?
- 夏場の電力不足懸念
- ロックダウン解除後の中国のコロナ感染状況
- EV革命の減速懸念
- インバウンド受け入れ再開
注目テーマ
- 外需 (中古車関連、IT)
- 社会課題解決型 (業績改善よりは高レベルの課題)
- データ活用型
- 地方展開
- 残存者利益
- 旧態依然のコンサル業の再考
- 物価上昇局面でのプライジングの重要性
- グロースは流動性 バリューは配当利回り
2022年度の方針
- 基本的に昨年のやり方を継続し、現物の主力枠の銘柄はなるべく動かさない
- 主力枠以外の銘柄は含み益があるうちに利益確定を意識
- 小型株にさらに資金が抜けたときのプランB(考え中)を用意しておく
- キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
- 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード
- 高ROE銘柄 非製造業で30以上、製造業で20以上を将来的に期待できる企業
インフレのピークアウト間近の可能性-半導体と輸送、肥料に兆候 - Bloomberg
その3つとは半導体価格、コンテナ輸送のスポット(随時契約)運賃、北米の肥料価格だ。
ノート型パソコン(PC)や自動食洗機、LED電球、医療機器など多様な電子機器完成品の将来コストの目安となる半導体価格の指標は現在、2018年7月のピーク時の半分まで下げており、昨年の年央時点の水準を14%下回っている。
シカゴのアパレルやシンガポールの高級品、欧州の家具・インテリアの流通経路での費用の目安となるコンテナ輸送のスポット運賃は、過去最高を記録した昨年9月から26%下げている。
世界の食料品価格上昇の先行きを示す北米の肥料価格は3月の過去最高値を24%下回っている。
ユニクロが秋冬商品一部値上げ、フリースは1000円高く2990円に-報道 - Bloomberg
ユニクロが今年の秋冬商品の一部を値上げすると時事通信が7日、報じた。原材料価格や物流費が高騰しているためで、フリースは前年の税込み1990円から2990円になるという。
日本のアニメを見て育った中国「改革開放」世代の嘆きと絶望 ゆっくりと閉ざされていく自由な世界への扉(4/5) | JBpress (ジェイビープレス)
たとえば元駐英中国大使の娘で、習近平の前妻である柯玲玲(クォ・リンリン)は、かつて習近平に一緒にイギリスに移住したいと要望した。しかし、習近平に強く反対され、2人は最終的に離婚し、柯玲玲は単独でイギリスに移り住んでいる。
文革の最中に育った習近平は、政権発足以来、西側諸国に対して敵対的で強硬な姿勢をとっている。欧米では、中国に世界の仲間入りを認めたことは誤った判断であり、「歪な怪物」を生み出すことになってしまったという見解も出始めている。
トランプ政権期のペンス米副大統領は、ある演説において、「我々はかつて、中国はいずれ自由国家になると認識していた。(中略)しかし、その望みはついえた」と述べた。
習近平の身に、この望みがないことは明白である。なぜなら、彼は根本的に自由ではない時代に育った人間であり、中国で最も封鎖的で暗黒な時代を生きてきた人間だからだ。
改革開放以来、中国人の間に1つの共通認識が生まれた。個人の生活レベルや社会の開放感は向上し続け、国家は絶え間なく発展すると。しかし、習近平政権発足以来、特にここ数年で、この共通認識は打ちのめされている。
改革開放世代の中国人の多くは、中国の未来に絶望していると言ってもよい。中国社会では、最近こんな言葉が流行している。
「今年は過去10年で最悪な1年だ。しかし、今後10年で最高の1年でもある」
米SEC、個人取引「無料」の仕組みにメス 改革案作成へ: 日本経済新聞
【ニューヨーク=宮本岳則】米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は8日、株式市場の改革案を作成すると明かした。個人投資家が手数料ゼロで株式を売買できる仕組みについては、超高速取引業者(HFT)の競争を促し、取引の透明性を高めたい考えだ。業界関係者からは早くも反対意見や慎重論が出ており、新ルールがすんなり導入されるかは見通せない。
売買無料化が定着した結果、個人の売買注文の9割はマーケットメーカー役のHFTに回送されるようになった。個人の注文はニューヨーク証券取引所やナスダックで執行されず、HFTが店内で処理するため、取引所外取引の比率が高まった。「ゲームストップ株騒動」に代表される個人の投機的な売買が過熱した2021年当時、最大で47%に達したという。
ゲンスラー氏は、大手HFTのシェアが高まり、競争原理が働きにくくなっているとの見方を示したほか、「(取引所で)注文ごとの競争にさらされるほどには、個人に利益をもたらさないかもしれない」と述べた。21年の講演では、ロビンフッドがHFTから多くのリベートを受け取る見返りに、顧客の価格改善効果を犠牲にしていたと話していた。こうしたコストは個人にとって「手数料ゼロで節約できる額を超えていた可能性がある」という。
同氏は8日、「オークション」制度の導入を検討するようSECのスタッフに指示したと明かした。上場オプション市場ですでに採用されている制度で、HFTは回送された個人の注文を取引所に取り次ぎ、1秒未満の短い時間で気配を提示しなければならない。機関投資家の注文を取り次ぐ証券会社が、オークションで個人の注文と突き合わせることも可能だ。
同制度が現物株でも実現すれば、HFTは店内で執行できなくなり、取引所外取引の割合は低下するとみられる。早ければ秋にも正式に新ルールが提案される見通しだが、実際の導入は1年以上かかるとみられている。取引無料化は個人投資家の裾野をひろげ、株式市場の活性化につながった。ルール変更への影響は未知数だが、業界関係者からは早くも反発や戸惑いの声があがっている。
上海が閔行区を再び封鎖へ、コロナ検査で-経済再開の後退懸念も - Bloomberg
中国・上海市当局は11日午前に南西部の閔行区を封鎖し、新型コロナウイルスの大規模検査を実施する。約2カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)が事実上解除されて以降、大幅な移動制限が講じられるのは初めて。
地元当局が感染のリバウンドを懸念する中で、今回の封鎖計画を受けて上海の経済活動再開が後退しつつあるとの不安が広がっている。人口265万人の閔行区を封鎖するのは11日午前のみとされているが、検査で陽性者が出れば住民は再び2週間にわたり自宅に閉じ込められるリスクに直面する。
スポティファイ、10年で売上高10倍の1000億ドルへ=投資家デー | ロイター
[8日 ロイター] - スウェーデンの音楽配信大手スポティファイ・テクノロジーは8日、今後10年で年間売上高が1000億ドルに到達するとの強気の見通しを示した。昨年の売上高は114億ドルで、これと比べると10倍近い増収目標。2018年の上場以来、初めての「投資家デー」イベントで表明した。
ダニエル・エク最高経営責任者(CEO)は、10年で粗利益率が40%に、営業利益率が20%に大きく上昇するとの見通しも示した。市場アナリストらからスポティファイの事業見通しや利益率見通しが懸念されていることを認めた上で、市場の懸念の払拭を図った。
同社は現状で粗利益率30─35%との長期目標を掲げているが、まだこれを達成できていない。ポッドキャスト事業とオーディオブック事業への積極投資などが足を引っ張っている。この点についてエク氏は、こうした投資が「恐らく予想されている以上に既に成果を出しつつある」と強調した。現在の粗利益率は28.5%と、長期目標に近づいているとした。
エク氏は、事業別の利益率ではポッドキャスト事業が40―50%、オーディオブック事業も40%を超える潜在力があるとの見通しも示した。
インテル幹部が需要軟化を予想、半導体株は軒並み売られる - Bloomberg
コンピューター用プロセッサー最大手の米インテルを筆頭に、半導体株が8日の米市場で軒並み下落した。景気悪化で需要や業績が損なわれるとの見通しを同社幹部が示したことが響いた。
インテルのデービッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は7日のバンク・オブ・アメリカ(BofA)のイベントで「マクロ面は明らかに弱まっている」と指摘。「これは明らかに、われわれに影響を及ぼすことになるだろう。半導体業界だけでなく世界中の企業、実質的に全員が影響を受けることになる」と述べた。
新型コロナ: 訪日客解禁、企業動く 経済効果「年16兆円」: 日本経済新聞
政府は10日から添乗員付きの団体ツアーに限定して外国人観光客の受け入れを再開。同日からビザの発給が始まり、ツアーで観光客が来日するのは6月下旬以降になる。
出入国在留管理庁によるとコロナ前の19年は1日平均で約14万人の入国があった。入国者数の上限は6月から2万人に引き上げられた。コロナ前の7分の1にすぎない。
新型コロナで打撃を受けた旅行業などでは人材の外部流出も進んだ。人材サービス大手のエン・ジャパンのまとめでは21年度は旅行・ホテル業界の転職希望者の99%が他の業種に転職した。IT(情報技術)関連に転職した人数は19年度比で4割増えた。
日本旅行業協会で訪日事業を統括する山田和夫氏は「新型コロナ前と比べて航空機の便数は2割程度の水準で通訳案内士も3割ほど減った」とし、旅行業全体で人材や航空機などの供給増が必要と話す。受け入れ体制の整備が遅れていれば、訪日客消費を十分に取り込めなくなる恐れもある。
依然として厳しい水際対策のさらなる緩和を求める声は多い。海外から出国する前の検査などが必要になるためだ。ある日系旅行会社大手のタイ法人では、タイ人からの問い合わせが増えているものの、現時点では訪日ツアーを再開する予定はない。担当者は「渡航前のコロナ検査が必要で、まだハードルが高い」と指摘する。
燃料補助金、世界で推計100兆円超 脱炭素に逆行: 日本経済新聞
ガソリン・電気代を抑制する燃料補助金が世界で急増している。気候変動問題に取り組むため各国のリーダーが削減で合意したはずが、新型コロナウイルス危機への対応や原油高で膨張し、年間で計100兆円を突破するとの推計がある。巨額の補助金が常態化すれば、脱炭素の掛け声はかき消されかねない。
米消費者マインド指数、過去最低に落ち込む-インフレ加速が打撃 - Bloomberg
米金融当局が注視するインフレ期待も上昇し、回答者の46%が悲観的な見方の理由として根強い物価圧力を挙げた。所得がインフレ以上に増加すると見込む回答比率はわずか13%と、ほぼ10年ぶりの低さとなった。
ミシガン大消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は発表文で、「今回の調査全体にわたって、消費者はインフレで収入が目減りし続けるとの強い懸念を示唆した。彼らが挙げたこうした要因が近く弱まる可能性は低い」と指摘。「個人消費はこれまでのところ堅調を維持しているが、センチメントの広範な悪化は支出の削減、それによる経済成長の減速につながる可能性がある」と続けた。
現況指数は55.4と前月の63.3から低下し、記録開始以来の最低となった。期待指数は46.8と前月の55.2から下げた。
今後1年のビジネス環境の見通しを示す指数は1980年以降で2番目の低水準となったほか、耐久財の購入環境に関する指数は統計開始以来の最低を更新した。
◆ 円安134円 & 原油高
— 後藤達也 (@goto_finance) 2022年6月8日
・ドル円、一時1㌦=134円40銭台
・NY原油 一段高 123ドル台に
・米国株は戻り売りが優勢
円安がとまらず、社会全体の関心も高まっています。先日YouTubeで、円安の背景や日本経済への影響をまとめたので、よければぜひ
👇「円安」そもそも解説https://t.co/pqG15oLZeD pic.twitter.com/5bbLNEkKjE
【訂正】米CPI
— 後藤達也 (@goto_finance) 2022年6月10日
大変申し訳ありません。さきほどの速報、コアCPIの数値に誤りがありました。正しくは6.0%です。下記に修正します。
市場予想を上回るインフレを受け、米株価指数先物は下落しています。下記noteでCPIの細かい内容や市場反応をまとめています
👇note【無料】👇https://t.co/Ufz1pUtexi pic.twitter.com/RqezZHrBtf
🇺🇸株急落
— 後藤達也 (@goto_finance) 2022年6月10日
CPI(消費者物価)が市場予想を上回り、「利上げ→景気悪化」の懸念が一段と強まりました。株は終日軟調でS&P500は2.9%安、ナスダック3.5%安。2年債は3%台へ急上昇し、約14年ぶりの高水準に。7時台をめどにYouTubeでCPIや市況をコンパクトにまとめます
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