ほろうみの正解するポジ

投資の立ち位置を正しく理解するための記録╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

2022年2月11日の週_金利上昇とインフレが新たな局面に

五輪期間中に想定外のウクライナ情勢の悪化報道があり、週末の海外市場は軽くパニックなったまま終了した。そのショックを最初に受けることになるのが金曜日が休みだった日本市場になるわけだが。。。月曜日は決算集中日とも重なって身構えて警戒している投資家の姿が容易に想像できる。

 

金利上昇とインフレが新たな局面になりつつある。この局面で今後の展開を予想してリスクを取れる投資家は少なく、リスクオフの弱い地合が当面続くことになるだろう。微かに期待する展開としては世界に先駆けて下がり続けていたマザーズ市場がさすがに売られすぎだと思われて世界市場とデカップリングすることくらいかも。

 

右肩下がりのチャートと、
自分の投資対象の右肩上がりの需要、売上、EPSとの逆相関はいつまでも続かないと想定して我慢強く見守るのみ。

 

 

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留意事項

  • 岸田新政権と投資家との距離感、内閣支持率はピークアウト?
  • 欧州に原発回帰の動き
  • ロシアとウクライナの衝突懸念 ロシアと欧米の意思疎通に課題あり
  • 冬のタイトな電力需給
  • 北京五輪 2/3~2/20
  • 日本国内のコロナ感染が急増 検査受け入れ体制がパンク状態に
  • TOPIXのルール変更 10月以降に浮動株の定義変更
  • 株価下落局面でMBO、TBOを実施する企業が出てきている
  • 金利上昇とインフレが止まらず新局面に移行する可能性

 

注目テーマ

  • ROE銘柄 非製造業で30以上、製造業で20以上のROEが将来的に期待できる企業
  • 外需 (中国および東南アジアの中古車関連、アニメ&漫画関連など)
  • プラットフォーム型 (自社が保有するデータを活用できる企業)
  • 社会課題解決型 (業績改善よりは高レベルの課題)
  • インフレを想定したポジション
  • 資源リサイクル関連

 

2022年度の方針

  • 基本的に昨年のやり方を継続し、現物の主力枠の銘柄はなるべく動かさない
  • 主力枠以外の銘柄は含み益があるうちに利益確定を意識
  • 小型株にさらに資金が抜けたときのプランB(考え中)を用意しておく
  • キャッシュ比率は状況に応じて資産の1割~4割の間でコントロール
  • 資産の1割の範囲内でショートトレード&実験トレード

 

インフラ、とまらぬ高齢化 トンネルの4割に寿命迫る: 日本経済新聞

実際に損傷も目立つ。16~20年度の目視点検では早期に修繕などが必要との判定がトンネル全体の36%に上った。橋梁は9%、標識や照明など道路付属物は14%だった。東洋大の根本祐二教授は「施設が劣化するスピードに修繕が追いついていない。インフラメンテナンスが崩壊する可能性がある」と警鐘を鳴らす。

とりわけ心配なのが自治体だ。総点検で対応が必要とされた橋梁のうち国の管理分は20年度末までに6割が修繕に着手した。市区町村分は3割どまり。中国地方の自治体の担当者は「次々に補修が必要な施設が出てくるのに予算も人手も足りない」と嘆く。

インフラは建設後50年が寿命とされる。国土交通省によると、全国の道路橋は33年に全体の63%、水門など河川管理施設は62%、トンネルは42%がその目安に達する。

国交省によると20年度の橋梁点検でドローンなどを使った自治体は20%のみ。劣化を自動検知する無線センサーなど作業を効率化できる新技術の普及は今後の課題だ。後手に回ればツケは膨らむ。不具合が生じてから手当てする従来型の対応だと国・地方の費用は30年後に年約12.3兆円と18年度(約5.2兆円)の倍以上になる。30年間の総額は約280兆円と国内総生産GDP)の半分に匹敵する。

損傷が深刻になる前に修繕する「予防保全」を徹底すれば費用を3割ほどは削れる見込みだ。岸田文雄首相は1月20日衆院本会議で「予防保全型の投資が中長期的に費用負担を抑制する効果も踏まえ、効率的な防災・減災のあり方を検討する」と述べた。

政府が20年末にまとめた対策は5年間で約15兆円を投じる。より長期の視点で財源をどう確保し、やりくりするかも問われる。近年の公共投資は国際的には見劣りする。19年の投資額を1996年比でみると約4割減と主要7カ国(G7)で唯一落ち込んでいる。この間に英国は4倍、米国は2.3倍に伸びた。

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新型コロナ: 「コロナ鎖国」で日本離れ シーメンス、投資保留: 日本経済新聞

日本の新型コロナウイルス対策の厳しい水際規制が企業活動に影響している。独シーメンスは日本への投資判断を保留し、独ボッシュも新製品を生産できずにいる。日本は2021年1~10月の海外からのビジネス客流入が前年比9割減と減少幅が拡大し、足元も落ち込みが続く。米国が6割減と減少幅が大幅縮小したのと対照的だ。「鎖国」状態が続けば、人材やマネーの日本離れが一段と進みかねない。

日本政府は21年11月下旬に変異型「オミクロン型」が確認されると外国人の新規入国を原則停止した。出入国在留管理庁によれば、21年12月の外国人の新規入国者数は2783人と前年同月比95%減った。

主要国で外国人の新規入国を原則禁止するのは日本のみで、ビジネス環境の悪化は鮮明だ。政府観光局によると、海外からのビジネス客流入は21年1~10月で前年比9割減。20年よりも減少幅が拡大した。米国が底入れしたのと対照的だ。

産業の将来の担い手候補となる人材育成にも影を落とす。「留学」資格での新規入国者数は、21年1~11月に約1万1千人と19年同期比で9割減った。一方、米国国際教育研究所によると18年9月~19年8月に米国が受け入れた留学生は約26万9千人だったのに対し、20年9月~21年8月は約14万5千人とほぼ半減にとどまる。

 

米ハーシー、上場来高値圏 値上げの持続力を評価: 日本経済新聞

レオス・キャピタルワークスの湯浅光裕副社長はハーシーについて「新型コロナウイルスの感染拡大前から主力商品で1~2%の値上げを繰り返してきた」と話す。それでも5年で売上高を2割伸ばした実績から、今後の業績拡大を期待した買いが入りやすいという。

3日発表した2022年12月期通期見通しでは売上高が前年比8~10%増、1株利益(EPS)で9~11%増を見込む。チョコはコロナ禍で土産物などでの消費が減ったが、21年には世界のカカオ豆の磨砕量(需要量)が19年の水準まで回復。「欧米で感染がピークアウトしており、今年も消費増が期待できる」(専門商社のコンフィテーラ=東京・港)との声があった。

 

世界の業績回復に減速感 1~3月1割増益、供給制約重荷: 日本経済新聞

21年10~12月期の純利益は9088億ドル(約104兆円)と前年同期から6割増えた。各国の財政・金融政策を背景に消費財需要が拡大。資源高も加わり関連企業の業績を押し上げた。コロナ前の19年10~12月期比では8割増と5四半期連続でコロナ前を上回った。

業種別で最も伸びたのは素材エネルギーで、増益額の5割弱を占めた。米エクソンモービルの最終損益は89億ドル弱の黒字と前年同期の200億ドル超の赤字から急回復した。半導体が好調な電機、コンテナ船が活況な輸送も伸びた。米巨大テック企業も好調でアップルの純利益は346億ドルと集計全体の4%を占める。

だが足元では業績拡大に減速感が出ている。22年1~3月期の純利益は前年同期比8%増の7912億ドル(約91兆円)となる見通しだ。増益率は回復基調に転じた20年10~12月期以降で最も小さくなる。21年1~3月期に前年同期比9倍、21年4~6月期に5倍などと大幅回復が続いてきた。

減速する要因はまず、原材料高や供給制約によるコスト増が強まるためだ。ウクライナ情勢の緊迫などでWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は約7年4カ月ぶりに1バレル90ドルを超えた。新型コロナの変異型「オミクロン型」の感染拡大で人出が停滞する恐れがある。政策効果も一巡する。

利益拡大が目立つのは素材エネルギーのみで、けん引役に欠ける。自動車は半導体不足が解消せず、1割減益の見通しだ。米ゼネラル・モーターズは3四半期連続で2ケタ減益が見込まれる。消費関連では米スターバックスケビン・ジョンソン最高経営責任者(CEO)が「物流コストや人件費などの増加は想定以上」として、22年9月期の1株利益予想を下げた。

 

ゴールドマンの商品調査責任者、今のような市場は見たことがない - Bloomberg

カリー氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「30年間この仕事をしているが、今のような市場は見たことがない」と言明。「あらゆるものがなくなっている。石油に天然ガス、石炭、銅、アルミニウムなど何もかも欠乏している」と述べた。

一部の商品先物のカーブでは、期近物の価格が期先物を極めて大きく上回る「スーパーバックワーデーション(極度の逆ざや)」と呼ばれる状況が見られている。

エネルギーや金属、農作物の先物23商品で構成されるブルームバーグ商品スポット指数は、今年に入り過去最高を付けた。

 

M&A仲介“両手取引は利益相反”説に業界トップ3社社長が反論「事業承継は“調整役”が必要」 | 沸騰!M&A仲介 カネと罠 | ダイヤモンド・オンライン

「M&A専門業者から示された企業価値は明らかに低く、自社の正当な価値が分からないままプロセスが進んでしまった。業者は効率性を最優先しているように感じた」(東北の製造・販売業経営者)

「M&A後に譲渡企業の売り上げの大半が期待していた事業によるものと異なることが判明。M&A専門業者にデューディリジェンス(買収監査)の過程で譲渡企業の事業内容を把握できなかったかと聞いたところ『聞かれなかったから答えなかった』と回答された」(九州の製造業経営者)

 これらはM&A仲介会社を通じ、実際に事業承継を行った中小企業経営者の声である。

「M&A専門業者から示された企業価値は明らかに低く、自社の正当な価値が分からないままプロセスが進んでしまった。業者は効率性を最優先しているように感じた」(東北の製造・販売業経営者

 

壊れてしまったマザーズ 「過小値付け」に投資家が反乱: 日本経済新聞

東証マザーズ指数は、昨年11月につけた直近高値から3カ月間で約4割下落した。直接の原因はもちろん、米金融引き締め懸念に起因する世界的なグロース(成長)株のバリュエーション(株価評価)調整だ。

足元は世界株安の震源地となった米ナスダック総合指数がいったん下げ止まって反発しているが、マザーズ指数は戻りが鈍い。ウォール街の相場格言は「デッド・キャット・バウンス(死んだ猫でも高いところから落とせば弾む)」というが、日本は「IPO値付け問題」が投資家心理を強く冷え込ませたままだ。

「昨年まで最大の買い手になってきた香港のヘッジファンドたちが、日本のIPO値付け問題に強い違和感を唱えている影響が出ている」。この引受担当者は明かす。

実際、ある香港の大手ヘッジファンドは、日本のIPOへの参加を当面見送ることにした。「市場を分かっていない人たちが、よく分からない政策を実行しているという印象だ。日本のIPOの値付けそのものへの信頼が落ちており、あえて手間暇をかけて調査する価値がない」。同ファンドの運用担当者はいう。

「過小値付け問題は一種のフェイクニュース。日本の政治家や当局が発信力がある一部のベンチャーキャピタル(VC)やスタートアップの意見に流されているようにみえる」。別の香港ヘッジファンドの担当者はこう指摘。「株価をみても明らかだが、日本のIPOは買うよりも空売りしたほうがリターンが高いという見方も出ている」

政府が唱える「過小値付け是正」に反発が強まっているのは、投資家の間では企業価値に対して公開価格が低すぎるのではなく、初値が高すぎるとの見方がコンセンサスになっているからだ。

跳ね上がった初値だけをみて公開価格をより高く設定するよう政府が促せば、現状の「上場ゴール」の度合いがよりひどくなるだけだ。海外投資家らが政府方針に対して怒るのも無理はない。

どうすればいいのか。政府方針を受け、公正取引委員会IPOを実施した新興企業や証券会社にアンケートや聞き取り調査を実施し、1月28日に報告書をまとめた。

公取委の報告書は「証券会社が不当に低い値段を決める問題事例はみつからなかった」と指摘したうえで、価格交渉さえもできなかったなどとする一部企業の不満の声も紹介した。証券会社が価格設定の根拠を説明せずに公開価格を決めるようであれば問題だ。企業の納得感を高める証券会社の説明義務は必須である。

日本証券業協会IPOを手掛ける実務家や有識者らで議論し、現状で約1カ月かかるIPO期間の短縮やブックビルディングを柔軟に実施できるようにする制度改革策を策定中だ。こうした日本のIPO手続きを、よりグローバルスタンダードに合わせていく努力ももちろん必要である。

それでも、初値が跳ね上がる日本の小型IPOの問題がこれらの施策で解決するかというと話は別だ。日証協の報告書も「初値と公開価格の乖離(かいり)は部分的には制度の見直しにより改善するものの、本質的な改善策は規模の大きなIPOを増やすことである」と記している。

新興市場機関投資家の参加を積極的に増やそうとしてこなかったツケが、今になって回ってきている」。日本のIPOを長年みてきたレオス・キャピタルワークスの渡辺庄太運用本部長は今回のマザーズ崩壊の真因をこう指摘。「上場ゴールを減らすことが機関投資家の参加を増やすために必要な条件となる」と話す。

そのためには東証が、上場から一定年数たっても成長しない新興企業の退出ルールを厳しくするのが不可欠だ。4月からの市場再編で東証はプライム市場の上場基準の策定ばかりに集中し、グロース市場はマザーズの「看板の掛け替え」にとどまっている。「グロース市場の流動性基準を厳しくし、成長しない新興企業は買収されやすくするのも一手だ」。渡辺氏は指摘する。

そう悠長にはしていられない。「売り手(発行企業)と買い手(投資家)がいてはじめてIPOは成立する。公取委は企業側の言い分だけを聞いて報告書をまとめている。なぜ投資家の声をひとりも聞いていないのか」。成長株投資に強い米大手運用会社の幹部はいう。

この幹部はこうつけ加える。「金融所得課税の強化、四半期開示の見直し、自社株買いガイドラインの策定に続いて、今度はIPOの過小値付け問題が飛び出した。岸田文雄政権は投資家を無視しているとの見方が定着し、ただでさえ人気のない日本株から海外勢が撤退するダメ押しになりかねない」。機関投資家は決して企業のように声高に不満を訴えたりしない。「投資リスクに見合わない市場だと考えれば、黙っていなくなるだけだ」

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LNG船の用船料、初のマイナス 欧州に大量投入の余波: 日本経済新聞

【ヒューストン=花房良祐】シンガポールのエネルギー情報会社スパーク・コモディティーズによると、米国と欧州の間を運航する液化天然ガスLNG)船の用船料が8日、1日あたりマイナス750ドル(約8万7000円)となった。大西洋路線でLNG船が大量に投入されたため、船の余剰が発生した。マイナスとなるのは初めて。

2021年秋から欧州のガスが高騰したため、21年12月から22年1月にかけて世界各地のLNGプラントから欧州にLNG船が大挙して向かった。21年12月に用船料は1日あたり20万ドルを超えていた。米国のLNGプラントはフル稼働状態で、現状の設備ではLNGの出荷をこれ以上増やせないため、いったんLNGを荷揚げしたLNG船が余ったようだ。

船は港に停泊すると岸壁の使用料を支払う必要があるうえ、沖合で待機するにも燃料代が必要で、海運会社はこうしたコストを考慮するとマイナスでも貸し出した方が損失を減らせると判断した。海運会社関係者によると「ばら積み船では用船料がマイナスになることがたまにあるが、LNG船では聞いたことがない」という。

 

トヨタ、1100万台生産へ供給網備え 半導体値上げ受諾: 日本経済新聞

トヨタ自動車が世界生産の大幅な回復を目指している。9日発表した決算では2022年3月期通期の生産台数見通しを850万台と6%(50万台)引き下げた。それでも23年3月期は過去最高の生産台数を計画し、トヨタや部品大手は在庫の積み増しや値上げ受け入れなどで備える。中堅中小メーカーを含めた供給網全体で生産回復について行けるかは懸念もある。強気の計画は危うさもはらむ。

来期の高水準の生産計画達成へ、トヨタ系部品メーカーのデンソーとアイシンは部品在庫を積み上げる。棚卸し資産は21年12月末時点で1年前の4~5割増の水準まで膨張。両社とも減産下でも来期をにらみ4四半期連続で在庫を増やしてきた。昨夏時点で23年3月期に1100万台(1114万台)を生産する大枠の見通しは示されていたからだ。グループ外で部品大手の独コンチネンタルの9月時点の数字(1割増)と比べても在庫の増加率は高い。

トヨタも供給網が生産の増減に振り回されることへの対応を検討し始めた。ティア2を含めた部品メーカーを対象に、生産の増減で追加負担が生じる人件費や倉庫費といった課題の洗い出しを始めた。その上で、22年度上期に予定する部品価格の引き下げ改定を、必要に応じて一定期間見送る考えだ。原材料の高騰も部品メーカーの資金繰りの負担になっているが、部品価格に反映する時期の前倒しも進める。

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デジタル時代の学び直し 中小企業支援は海外に先例: 日本経済新聞

政府はデジタル技術を使いこなすための能力開発支援を中心に、人への投資促進へ3年間で4000億円の政策パッケージをつくる方針だ。デジタル化への対応では中小企業の間で「何から始めればいいか、わからない」との声があるだけに、どれだけ企業や従業員の身になった施策を打ち出せるかが問われる。この点で他の先進諸国は先を行く。海外の事例も参考に政策を練るべきだ。

そのうえで中小企業が利用しやすい工夫が要る。高齢・障害・求職者雇用支援機構の「生産性向上支援訓練」という職業訓練は、企業が社内の会議室を会場にして講師を招いたり、訓練にかける時間を柔軟に調整したりすることが可能だ。オーダーメード方式でデータ集計の効率化や定型業務の自動化などのスキルを習得できる。受講する側の利便性を考えた細かな工夫をほかの職業訓練にも広げたい。

 

今はもう動かないその春闘 賃上げは市場の力で: 日本経済新聞

だが、90年代以降、風景は変わった。最も大きかったのはグローバル化の影響だ。多くの産業で競争環境が激変、企業間の業績格差が拡大。賃上げがパターンセッターの自動車や電機から他産業へ、大手企業から中小へと波及する構図は崩れた。

停滞感の濃い日本と対照的に、米国では成長の果実の分配が進む。米国の付加価値分配を日本総合研究所が分析したところ、雇用者所得は12年平均に比べ、21年7~9月期まで4四半期連続で3割超の伸びとなった。企業収益も3四半期連続で約2割の増加だ。「米国では所得増によって消費が増え、企業の業績改善を促し、それがまた所得を押し上げる好循環が実現しつつある」と同研究所の松村秀樹調査部長は指摘する。

米国で賃金の伸びを支えるのは、需要が旺盛で報酬も高めの分野に人材が流れ込んでいく柔軟な労働市場だ。衰退産業から伸びる産業へ人的資源を配分し直す市場メカニズムがはたらく。これにより成長分野の企業の競争力が高まりやすく、投資拡大や雇用・賃金増へとつながっている。

 

東京都、大規模なデジタル人材育成計画 46ページに渡る基本方針公開 - ITmedia NEWS

東京都は2月9日、デジタル人材の育成方針を定めた資料「東京都デジタル人材確保・育成基本方針」を公開した。求めるデジタル人材像や、人材の確保や育成に向けた具体的な取り組みを明記した計46ページのPDFデータだ。

人材育成の具体的な取り組みには「東京デジタルアカデミー」と題し、各職種に対する研修メニューを用意。基本情報技術者程度のスキルを持つICT職には、身に付けるべきスキルに応じた育成メニューを用意。全職種に対しては年間4万人に対してデジタルセミナーやオンライン学習コンテンツでリテラシー向上、さらにリスキリング人材には、ノーコード・ローコードツールなどの活用を学べるワークショップ型の研修を用意することで、5年で5000人のリスキリングを目指す。

 

日銀、米欧発の金利上昇警戒 3年半ぶり抑制策を通知: 日本経済新聞

日銀は長期金利の上昇を抑え込むため「指し値オペ公開市場操作)」と呼ぶ異例の手段を発動する。米欧の長期金利の上昇が日本にも波及し、日銀が許容範囲とする0.25%に迫ってきたためだ。市場の混乱を事前に抑え、投資家にくすぶる金融緩和の縮小観測をけん制する狙いもある。

日銀は3連休明けの14日に長期金利が上昇すれば、0.25%の金利で10年物国債を無制限に買うと通知した。銀行など民間の投資家は0.25%より高い金利(安い価格)で他の投資家に売る利点がなくなるため、金融市場の金利は0.25%が事実上の上限となる。

欧米の金融政策の転換を受け、状況は一変した。インフレ加速に伴い米連邦準備理事会(FRB)は年内に3回以上、利上げする見込みで、市場では日銀もいずれ金融緩和を縮小するとの思惑が浮上。日本の長期金利も10日に一時、0.23%と日銀がマイナス金利政策を導入した16年1月以来、6年ぶりの水準まで上昇した。一段の金利上昇を容認すると、株安などの市場の混乱を招く懸念があった。

今回、発動する指し値オペ長期金利が0.25%以上に上がらないようにするための防護壁の役割を担う。過去の指し値オペは実施当日に通知していたが、今回は連休前に周知し、週明けの債券市場の波乱を抑える狙いがあるとみられる。

ただ、物価が上がり、市場が金融政策の修正を本格的に意識し始めると、強い金利上昇圧力がかかる。主要国の中央銀行長期金利の上限を定めて市場を操作しているのは日銀だけだ。米欧が金融緩和の縮小に向かうなかで、日銀の異例の金利抑制策は際立っている。強引な金利抑圧は、国債市場の取引低迷や財政規律の緩みなど副作用をもたらす。

海外で長期金利が上昇するなか、日本の長期金利を強制的に低く抑え込めば金利差が広がり、為替市場での円安進行を招く可能性がある。円安は輸入物価の上昇を通じて日本の物価を押し上げる方向に働く。

 

国際商品1年で5割高 2000年代で最大、供給制約が拍車: 日本経済新聞

原油や金属、穀物など国際商品が高騰している。商品の総合指数は1年間で5割弱伸び、1995年以降で最大の上昇を記録した。新型コロナウイルス禍から景気が回復に向かい需要が急増するなかで、地政学リスクなどが十分な供給を妨げている。需給逼迫への懸念が広範に商品価格を押し上げる構図だ。輸入依存度の高い一部の国では政情不安につながり始めている。

商品の総合的な値動きを示すリフィニティブ・コアコモディティーCRB指数は1月末時点で前年比46%上昇した。同期間の上昇率としてはデータを遡れる95年以降で最大となった。

原油など多くの品目が値上がりしている。主要22品目の年間騰落率(1月末時点)は9品目で5割超の上昇となり、コーヒー(91%高)や綿花(58%高)、アルミニウム(53%高)など身近な製品の原材料に広がる。

商品高は世界経済の回復を鈍らせている。国際通貨基金IMF)は、現在のエネルギー価格の水準が続くことなどを前提に、今年の世界経済の成長率を0.5ポイント押し下げると試算する。みずほリサーチ&テクノロジーズによると、日本の2021年度の原材料輸入額は、商品市況の高騰により前年から約10兆円増加する見込みだ。

米国など各国は金融引き締めを急ぐが、「供給側のショックがもたらすインフレを金融政策で抑制するのは難しい」(JPモルガン証券の鵜飼博史経済調査部長)。

今後の焦点は、政情不安の広がりだ。エネルギーの7割を輸入するトルコでは1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比49%と激しい。今月初め頃から賃上げを求める労働者やエネルギー価格の高騰に抗議するデモが広がっている。

資源国のインドネシアは石炭に続き、食品や日用品などの原料となるパーム油の輸出制限に踏み切った。自国経済を優先して資源を囲い込む「資源ナショナリズム」が国際価格に上昇圧力を与える動きも出ている。

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金利上昇、世界に広がる 債務膨張で負担重く: 日本経済新聞

金利上昇ペースが速まっているのが米国だ。昨年12月に1.4%前後だった長期金利は一気に2%の節目を超えた。1月の米消費者物価指数は約40年ぶりという高い上昇率を記録するなど、資源価格の高騰とコロナ禍の供給制約がインフレ圧力を高める。対応を迫られる米連邦準備理事会(FRB)は3月にも利上げに踏み出し、利上げ回数も年内7回との見方が出るほど引き締め観測が強まる。

コロナ禍による景気悪化を各国は巨額の財政出動でしのぎ、その分、債務が一段と膨張した。国際金融協会(IIF)によると、2021年の世界全体の債務は対国内総生産GDP)比で最大361%に跳ね上がった。コロナ前の19年と比べ40ポイント高い。

金利の上昇は今後の利払い負担を重くする。低金利に頼った需要を押し下げることにもなる。マネックス証券の大槻奈那氏は過去の米長期金利と住宅価格の相関から、1%の金利上昇で住宅価格が5%以上下がりうると試算する。

南欧諸国や新興国など経済基盤が弱く重債務の国ほど、金利上昇の波の影響を受けやすい。欧州では、ギリシャとドイツの長期金利の利回り差が足元で2.3%前後に拡大、コロナショック後の20年5月以来の高水準となった。イタリアとドイツの利回り差も1.6%台まで広がっている。

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