景気見通しが悲観的な状況であっても、サウジアラビアの需給調整に消極的な姿勢が後押しして原油価格の下落が進んでいる。
逆オイルショックと言っているメディアも出ているが、原油価格はロシアの継戦能力にも大きく影響をあたえるので、今後の世界情勢の変動につながっていくかもしれない。
米国との関税交渉は現状では英国とは貿易協定で合意したが、日本との交渉では決定的な進展は見られていない。
次の統計から米国関税政策の反動減反映された数字が出てきそうなので、それまでに妥協的解決が進むかもしれないが、そこに大きな期待はしない。
口座乗っ取り問題は直近では減っているように見られるが、被害件数が増加していて収束とは言えない状況。調査報告が待たれる。


チェック事項
- 5月6日・7日 第3回FOMC→現状維持
- 4月30日・5月1日 第3回日銀政策会合→現状維持
- 4月2日 トランプ政権が相互関税政策発表→中国以外90日延期
- ドル円が一時140円を割り込むまで円安に振れて144円台まで戻す
- 4月は国内金融資産に過去最高レベルの海外マネーが流入

キーワード
米国商用不動産リスク、サイバーセキュリティー産業振興戦略、ニッチ日本株ファンド、中国の石炭余り、タームプレミアム、逆オイルショック、米国のソフトパワー
2025年度のトレード方針
- キャッシュ比率を資産の1割~4割の間でコントロール
- ピラミッティングで疑似トレンドフォロー
- TOPIXと全世界株式(オルカン)をベンチマーク
- 大型株と小型株の比率が偏りすぎな無いようにする
- 金利政策変更からの実経済への影響のタイムラグを想定
- 決算資料熟読ノルマ 5社/週
- 成長枠NISAは成長株に
- その選択に主体性を乗せることができているか?
2025年銘柄選別基準
- ROEの継続上昇
- 直近売上の10倍以上の潜在市場
- 中期経営計画と達成可能性
- 従業員数と1人あたりの売上
- グリッチとカタリスト
- 無形資産の価値向上を評価
- 経営者のバランス感覚
- PF全体で配当利回り3%を目安にする
- 配当利回りの継続上昇(非シクリカル、連続増配、DOE)
NY原油55ドル台に急落、約4年ぶり安値圏 増産加速で - 日本経済新聞
原油価格が急落している。米国指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は日本時間5日午前の取引で、一時前営業日に比べ3ドル(5%)安い1バレル55ドル台前半まで下げ、約4年ぶりの安値圏で推移する。主要産油国が原油の増産加速を決定し、需給が緩むとの観測が広がっている。
「誰も工事を引き受けない」 市街地再開発、相次ぐ異変 - 日本経済新聞
全国各地で市街地再開発の遅れが相次いでいます。労務費や資材費の高騰で総事業費が当初計画から大幅に膨らみ、自治体や国の補助金を積み増す事例も出ています。駅前の一等地で宙に浮いたままの再開発計画も目立ってきました。全国各地で相次ぐ都市開発の異変を追った「岐路に立つ再開発」の記事をまとめました。
全国で市街地再開発の計画見直しが相次いでいる。日本経済新聞の調査で、進行中の事業のうち、8割弱で完了時期の延期や費用の増加が起きていることがわかった。見直した計画の平均で期間は2.7年延び、費用は2割膨らんでいる。資材価格が上昇し、人手不足も響く。再開発は国や自治体からの補助金も充てられており、計画変更は公的負担の増加につながる。
市街地再開発で自治体や国の補助金が当初計画より増加する案件が相次いでいる。日本経済新聞の調査では、補助金がついた再開発の7割弱で予算を積み増していた。資材高騰など外部環境が変化したことが背景にある。コストが上がっても採算を確保するために高層マンション中心の開発が増える。公共性が求められる市街地再開発の役割がゆがんでいる。
市街地再開発が都心に集中している。日本経済新聞が調べたところ、進行中のプロジェクトの5割超が東京都内だった。都心部ほど住宅やオフィスの需要が高く、高騰する開発費用を回収しやすいことが背景にある。地方都市では再開発の採算が厳しくなっている実態が浮かび上がってきた。
米 フォード業績 “トランプ関税で2100億円余のマイナス” | NHK | アメリカ
アメリカの大手自動車メーカーの「フォード」は、トランプ政権の関税措置によることし1年間の業績へのマイナスの影響が日本円で2100億円余りにのぼるという見通しを明らかにしました。
これは、フォードが5日、声明で明らかにしたものです。
この中では、トランプ政権が発動した、輸入される自動車や自動車部品などへの関税措置に伴う追加コストがことし1年間でおよそ25億ドル、日本円で3500億円余りにのぼるとしたうえで、コスト削減を進めても業績へのマイナスの影響はおよそ15億ドル、日本円で2100億円余りになるとしています。
そのうえで、サプライチェーンの混乱に加え、関税政策の変更や各国の対抗措置など多くの不確定な要因があるとして、ことし2月に公表していた通期の業績予想を取り下げました。
フォードは、アメリカで販売する新車のうち、75%以上を国内で生産しているとしていますが、関税措置の影響を回避するのは難しいことを示した形で、「不確実性は業界にとって重大なリスクで、財務面に大きな影響を与えるおそれがある」としています。
アメリカの大手自動車メーカーの間では、GM=ゼネラル・モーターズもトランプ政権の関税措置に伴う追加費用によって業績予想を下方修正しています。
枯渇する関税フリーの自動車在庫、販売減・値上がりの痛みこれから - Bloomberg
トランプ米大統領による自動車関税の発動を控え、春に駆け込み購入が急増したことで、「関税フリー」の在庫が急速に枯渇しつつある。自動車業界では夏以降の販売減速が懸念されているほか、消費者は急激な値上がりに直面する恐れがある。
調査会社コックス・オートモーティブのチーフエコノミスト、ジョナサン・スモーク氏は、駆け込み需要により新車在庫は前年比24%減と、「数年ぶりの大幅な落ち込み」を記録していると述べた。コックスによると、現在の在庫水準は61日相当と、1月の98日相当から大きく減り、約2年ぶりの低水準となった。
スモーク氏は「関税フリーの在庫が尽きれば、販売は明らかに減速するだろう」と指摘する。
トランプ政権は先週、自動車業界に対して一定の負担軽減策を提供したが、それでも関税の影響はすでに浮き彫りになっている。ゼネラル・モーターズ(GM)は、関税により今年最大50億ドル(約7200億円)の打撃を見込む。ステランティスやメルセデス・ベンツグループは通期見通しを撤回。フォードは5日の決算発表で影響を明らかにする予定だ。
自動車メーカーはトランプ関税の次の荒波に備え、対策を急いでいる。GMやフォルクスワーゲン(VW)は関税コストの大半を吸収しつつ、コストの相殺に取り組む方針を示している。複数のメーカーは在庫確保のためインセンティブ(販売奨励金)を縮小。高金利時代に重要な客寄せ手段だった低金利ローンも減少しており、米国市場での無利子ローンは2019年以来の低水準となっている。
その結果、販売促進策の減少と在庫不足が価格上昇を招き、消費者の購買意欲を鈍らせている。
関税前の駆け込み購入を背景に、3月の米新車販売は11%増えた。4月は年率換算で1730万台と、前月の同1780万台からわずかに減速したが、昨年の約1600万台はなお大幅に上回るペースを維持している。
在庫減少の背景には、在庫過多とされる水準にあったフォードとステランティスが大規模な割引キャンペーンを展開したこともある。両社は先週、従業員割引価格を一般顧客にも適用するプロモーションを延長。フォードは前月の16%増も含め販売が大きく伸びたが、その分ディーラー在庫の減少を招いている。
調査会社JDパワーでは、関税の影響で米国の年間自動車販売台数が約110万台、率にして約8%減少すると予測している。上期の販売は好調である一方、関税に伴う価格上昇で、第4四半期(10-12月)を中心に下期には販売が失速するとみている。
調査会社ブラック・ブックのアナリストは、販売価格が5%上昇すれば、年内に販売ペースが年率1290万台に減速すると予測している。これまでの販売急増を考慮すると、2025年通年の販売台数は約1490万台となり、2024年の約1600万台から減少する見通しだ。
これは自動車メーカーが関税分を価格に上乗せせず、利益率を削って吸収するとの前提に立った試算だ。関税分を全面的に価格に転嫁した場合、販売台数は1360万台にとどまるとブラック・ブックは推定している。
先週、ケンタッキー州の工場で開催された新型スポーツタイプ多目的車(SUV)「フォード・エクスペディション」のお披露目イベントで、フォードのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は「価格は据え置く」と宣言した。ただし、それは「競合他社が価格を上げない限り」という条件付きだった。
ファーリー氏は「競合他社の動向を注視している」と指摘。「他社は1台あたり5000〜1万ドルの追加コストが関税で発生する」とし、「それを吸収するのか、消費者に転嫁するのかを見極める」と話した。
価格をめぐる休戦は長くは続かない見通しだ。アナリストは、自動車価格の値上がりが今後目に見えない形で始まると予想。メーカーが割引を密かに打ち切ることで表面化するとみている。
メーカーが希望小売価格を引き上げなくても、「販売奨励金を廃止すれば、実質的な値上がりとなる」と、ブラック・ブックのエリック・ライマン氏は話した。
インド“パキスタンの支配地域攻撃 カシミール地方の過激派組織拠点” 核保有国間での軍事行動激化に懸念 | NHK | インド
インド政府は7日、パキスタンとの係争地カシミール地方のうち、パキスタン側の実効支配地域などに対し、テロ事件への報復から攻撃を行ったと発表しました。一方、パキスタン軍は、これまでに26人が死亡し46人がけがをしたなどとして報復を表明し、核保有国どうしの両国の軍事行動が激化しないか、懸念が強まっています。
インド政府はインド軍がパキスタンと領有権を争うカシミール地方のうち、パキスタン側の実効支配地域などをミサイルで攻撃したと、現地時間の午前1時半すぎに発表しました。標的は、パキスタンのイスラム過激派組織の拠点9か所だとしています。
カシミール地方では先月22日、インド側の実効支配地域でインド人観光客ら26人が銃撃されて死亡するテロ事件があり、インド政府はパキスタン側の関与を主張して報復攻撃を辞さない姿勢を示していました。
インド外務省のミスリ外務次官らは7日の会見で、パキスタンのイスラム過激派組織の拠点を限定的に空爆したとする映像を見せながら、「インドへのさらなる攻撃が差し迫っていた」と主張し、攻撃を正当化しました。
一方、パキスタン軍の報道官は、インド軍による攻撃でこれまでに26人が死亡し46人がけがをしたとする声明を発表するとともに、攻撃があった場所はカシミール地方のパキスタンの実効支配地域や、パキスタン東部のパンジャブ州の計6か所だととしています。
米貿易赤字、3月は過去最大-トランプ関税を前に輸入急増 - Bloomberg
消費財の輸入が過去最大の伸びを記録した。過去最大規模となった医薬品製剤の輸入が主因。資本財と自動車の輸入も増加した。
今回の貿易収支はトランプ大統領が4月2日に広範な関税措置を発表する前に、米企業が物品確保を加速させた可能性が高いことを示している。医薬品の輸入は関税の対象外となったが、大統領は今後数週間以内に医薬品関税に関する決定を下すと述べている。
1-3月(第1四半期)は2022年以来のマイナス成長となったが、貿易赤字の急拡大がその主な要因だった。実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.3%減だった。純輸出の寄与度は過去最大の5ポイント近いマイナスとなった。
3月の輸入は4.4%増と過去最大の伸びを記録した。一方、輸出は0.2%増にとどまった。
しかしブルームバーグ・エコノミクスは中国から米国へのコンテナ輸送量が4月16日以降に減少していることを踏まえ、関税前に急増した駆け込み輸入が弱まるとみている。貿易赤字が縮小すれば、経済成長の短期的な回復を支える可能性がある。
米供給管理協会(ISM)が発表した指数も、製造業とサービス業の輸入減少を示しており、関税導入前の駆け込み輸入が終わりに近づいていることを示唆している。
3月の貿易収支では、財の対アイルランド貿易赤字が季節調整済みで293億ドルに急増した。TDカウエンの分析によると、イーライ・リリーやファイザーなど米製薬会社は、アイルランドに米国向け製品を輸出する工場を約20カ所運営している。3月の医薬品製剤の輸入額は71%増加し、過去最大の504億ドルに達した。
財の対カナダ貿易赤字が縮小した一方、メキシコに対する赤字は2月に記録した過去最高水準付近を維持した。財の対中赤字は縮小した。
インフレ調整後の財の貿易赤字は1509億ドルと過去最大となった。
インドネシア、コーヒー純輸入国に? 生産量が減少 - 日本経済新聞
コーヒー豆の輸出で知られるインドネシアが、今後数年以内に純輸入国になるかもしれない。国内消費が増えるなか、同国のコーヒー生産者は気候変動などの影響で収穫量が減っていると警告している。
インドネシアはブラジル、ベトナム、コロンビアに次ぐ世界第4位のコーヒー生産・輸出国だ。主にロブスタ種を栽培しているが、より高品質のアラビカ種も栽培しており、米国やエジプト、マレーシア、日本、インドなどに輸出している...
首都圏マンション、NVIDIAより割高か 「PER」は30倍 - 日本経済新聞
首都圏のマンションを投資対象としてみた場合の割高さが増している。新築価格を年間の賃料収入で割った「PER(株価収益率)」は2024年時点で約30倍まで上昇し、過去最高を更新した。米半導体大手のエヌビディア(足元で24倍)を上回る水準だ。物件の収益性を超えて買い上げられた相場はいつまで続くのか。
PERは主に株式投資で割高・割安の判断に使う指標だ。企業の株価を予想EPS(1株当たり利益)で割ること...
米オープンAI、マイクロソフトとの収益共有を半減へ=報道 | ロイター
[7日 ロイター] - 米オープンAIは、資金面で主要な支援者であるマイクロソフト(MSFT.O), opens new tabと分け合う収益の割合を縮小する方針を投資家に伝えた。米ネットメディアのジ・インフォメーションが6日報じた。
報道によると、オープンAIは投資家に示した財務予測で、マイクロソフトと共有する収益の割合は、2020年代の終わりまでに少なくとも半分に減少するとの見通しを示した。現行契約では、オープンAIは30年まで収益の20%をマイクロソフトと共有することになっているという。
ジ・インフォメーションは、オープンAIが一部の投資家に対し、30年までにマイクロソフトを含む商業パートナーと共有する収益は10%のみになると説明したと伝えた。マイクロソフト側は30年以降もオープンAIの技術を利用し続けたい意向という。
マイクロソフトは、オープンAIと「双方向の収益分配契約」を結んでおり、30年までの契約期間中はパートナーシップの主要な要素は維持されるとの認識を示している。
製薬業界、1兆ドルの収入減と反発-トランプ氏の新たな薬価設定方針 - Bloomberg
トランプ米大統領が打ち出した薬価設定に関する新たな方針について、製薬業界は10年間で最大1兆ドル(約143兆円)の収入減につながる可能性があると試算している。
ホワイトハウスは先週、この方針を示した。寝耳に水だった製薬業界はそれを受け、ロビー活動を精力的に進めている。
10人ほどの業界ロビイストやコンサルタントによれば、医薬品業界の複数の幹部が今週、連邦議会議員の元に出向く準備をしている。公に話す権限がないとして匿名を条件に語った。
ホワイトハウスは下院共和党に対し、メディケイドにおける医薬品の価格を、海外でのより安価な価格に連動させるよう求めた。これにより製薬会社は多額の収入を失うことになる。トランプ氏は以前にも同様の提案をしたことがあったが、低所得者や障害者向けのこの医療保険制度を対象としたことに業界内では動揺が広がっている。
PhRMAの広報担当者アレックス・シュライバー氏は「政府による価格設定は、いかなる形であれ米国の患者にとって有害だ。メディケイドに海外の参照価格制度を導入しても、患者にとっては節約にならず、実際には負担が増える可能性がある」と書面で指摘した。メディケイドでは大半の患者が支払う医薬品価格が低く抑えられている。
メディケイドにおける医薬品価格は、病院向けの別の薬価割引プログラムと連動している。
バイオテクノロジー業界団体BIOの広報担当者は、国際参照価格制度を導入すれば特に中小の革新的バイオテクノロジー企業にとって大打撃となると述べた。
トランプ政権1期目にホワイトハウスで内政を担当したジョー・グローガン氏は、トランプ氏の1期目や選挙キャンペーンでの行動を見れば、医薬品価格の引き下げや米国内での医薬品生産に関する同氏のこだわりは驚きではないと指摘。
「トランプ氏は本気ではないとの考えが業界内にあったとしたら理解に苦しむ。これ以上ないほど明確にしていたはずだ」と述べた。
ソフトパワー失う米国 ジョセフ・ナイ・ハーバード大学名誉教授 - 日本経済新聞
「パワー(権力)とは、他者を自分の望むように動かす能力のことだ。3つの種類がある。威嚇による強制、金銭的な報酬、そして魅力だ。ソフトパワーとは、他者を魅了することによって自分と同じように動かす力のことを指す」
「ソフトパワーを構成するのは、その国が持つ文化、国内社会の状況、そして政治政策や外交方針の3つだ。米国では伝統的に文化や政治、外交などの場面で、シビルソサエティー(市民社会)が大きな役割を果たしてきた。パワーの源泉は政府ではなく、大学や財団、非営利団体などにある。中国の伝統文化はとても魅力的だ。だが、共産党政権が市民社会を厳格に管理し、ソフトパワーが独立して発達する機会を奪っている。これが両国の大きな違いだ」
――トランプ政権で米国のソフトパワーも低下しているのではないか。
「トランプ氏は間違いなく米国のソフトパワーにダメージを与えた。米国際開発局(USAID)の実質廃止や米政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)の閉鎖などを見れば明らかだ。欧州における同盟関係の弱体化、グリーンランド問題によるデンマークへの脅し、関税を巡る新たな不確実性なども加わった。こうした言動を通じ、米国の魅力は損なわれたと思う」
――失われたソフトパワーは回復できるのか。
「米国がソフトパワーを失った時期は過去にもあった。(1960〜70年代の)ベトナム戦争当時には、世界中で人々がデモ行進し、米国のベトナム政策に抗議していた。ブッシュ(第43代)政権下でのイラク戦争も非常に評判が悪かった。だが、政権交代などによって、米国のソフトパワーは回復した。ソフトパワーは修復可能だということを歴史は示している」
「もっとも、トランプ氏はこれまで米国に寄せられていた信頼を破壊した恐れがある。過去の例とは違うかもしれない。もし、人々が再び米国に魅力を感じたとしても、トランプ氏のような政治リーダーをまた選ぶかもしれないという懸念を払拭できるのか。それは答えるのが難しい問題だ」
――トランプ氏がソフトパワーを理解できないのはなぜか。
「トランプ氏は、ニューヨーク市の不動産開発で経験を積んだ。まさに弱肉強食の世界で、彼のキャリア形成に大きな影響を与えたと思う。彼の著書『ジ・アート・オブ・ザ・ディール(交渉の技)』では、相手を混乱させ、予測不能さを保つことの重要性を強調している。ソフトパワーは一定の予測可能性と信頼に依存する。トランプ氏の考え方でソフトパワーを理解することは難しい」
――トランプ氏はソフトパワーを支える市民社会を壊そうとしている。
「もしトランプ氏が破壊に成功するならば、間違いなく懸念すべき事態だ。だが、米国の大学は世界最強であり、トランプ氏がその独立性を完全に破壊できるとは思えない。弱体化したとしても回復できる。ハーバード大の学長はトランプ氏の要求の多くは『法律に反しており、違憲』との声明を発表した。市民社会はトランプ氏からの圧力に対抗していくと思う」
――トランプ氏や支持者は、日本や北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州諸国が安全保障で米国にタダ乗りしていると批判している。
「タダ乗りだとの批判は当たらないが、日本が長年、防衛費を国内総生産(GDP)の1%以下に抑えてきたというのは事実だ。もちろん、日本はこれまでに負担を増やしてきたし、NATO加盟国も防衛費の割合を増やすことに合意している。ただ、トランプ氏の周辺の人々は、米国が他国の防衛費を事実上負担していることに不満を抱いている」
「こうした指摘には欠けた視点がある。タダ乗りと批判するが、乗客を乗せて走る『バス』を運転しているのは米国自身ということだ。米国が運転手を務めることで、自分たちにとって友好的な世界秩序をつくり上げることができる。もしその役割を中国が務めることになれば、世界秩序は中国にとってより有利なものとなり、米国の利益は損なわれてしまうだろう。(数値や金額などでは表しにくい)間接的な恩恵だが、それでも重要な要素だ」
――米国のソフトパワーの後退は中国を利するということか。
「中国はすでにそのための努力をしている。広域経済圏構想の『一帯一路』は、中国が世界で(ソフトパワーを持つ)魅力的な存在になるための取り組みだ。米国の後退で生まれる空白を埋めることで、中国の影響力が増していくことになるだろう。中国の支配が強まると(ベトナムやインドネシアなどの)東南アジアの国々は苦境に立たされる危険がある」
「こうした国々は、中国と米国を対立させることでうまくバランスを取ってきた。中国市場へのアクセスは必要としているが、安全保障面では米国の保護下で中国の脅威から守られることを望んでいる。もし米国による安全保障が弱まれば、中国からの圧力をより強く感じるようになる」
「中国の外相だった楊潔篪(ヤン・ジエチー)氏が(2010年にハノイで開かれた東南アジア諸国連合=ASEAN=地域フォーラムで)『我々は大国であり、あなた方は小国である』と言ったことを覚えているだろうか。それは東南アジアのような地域において中国が支配的な立場に立てば、秩序が変わってしまうことを意味する。米国は遠く離れた大国で、心地よい距離感で安全を提供してきたが、近くの大国である中国の場合はそうはいかない」
――トランプ政権の高関税政策は同盟国にも矛先が向けられている。これまで強固だった日米関係も揺らぎ始めているのではないか。
「長期的に見れば、日本は中国に支配されたくないし、米国も中国にアジアを支配されたくない。米国は太平洋のど真ん中にハワイ州を抱えており、いまだに自らをアジアの大国だと考えている。もし中国が東アジアを完全に支配することになれば、それは日本だけでなく、米国にとっても悪いことだ」
「だからこそ日米同盟は今後も成功すると思っている。(駐留米軍の費用など)どちらが何を負担するのか、関税はどうするのかといった摩擦や意見の相違はたくさんあるだろうが、客観的にみて、日米は長期的な共通の利害で結ばれている」
――中国が台湾に軍事侵攻するリスクが高まっているのではないか。
「台湾は確実に脅威にさらされている。中国は数十年にわたり、台湾を『失われた地』と位置付け、武力行使による台湾の回復権を留保してきた。1972年に当時のニクソン米大統領が共産党主席だった毛沢東と会談した際、台湾を中国の一部とする『一つの中国』の原則に同意した。だが、米国は武力行使という考えは決して受け入れなかった」
「米国が台湾に自衛のための手段を提供し続け、『一つの中国』の原則を覆して中国を刺激するようなことをしなければ、台湾は中国による暴力的な占領を回避できるとみている。トランプ氏は過去の米大統領に比べて台湾に関心を示していない。だがそんなトランプ氏からみても、台湾が事実上の独立状態を維持することは、それが正式な独立でなくても、米国の利益にかなっていると分かるはずだ」
トラック事業者、原価割れ運賃を制限 超党派で法改正めざす - 日本経済新聞
自民党など超党派の国会議員で検討するトラック関係の法案の概要が7日、分かった。国土交通省にトラック運送の適正な原価を算定することを求め、事業者が継続してその原価を下回って輸送しないよう制限する。人手不足が深刻なトラック業界の待遇改善につなげる。
8日の自民党の会議で示す。超党派で今国会に貨物自動車運送事業法改正案を提出することなどをめざす。
事業者の許可を5年ごとの更新制とする。人件費や経費...
トランプ氏、英国との貿易協定合意を発表-詳細は交渉継続 - Bloomberg
トランプ米大統領は8日、米国と英国が貿易枠組みで合意したと発表した。上乗せ関税の発表後、米国が貿易協定で合意するのは英国が初めて。トランプ氏は米国産品への障壁を下げ、英市場へのアクセスを拡大する「突破口」になると成果を強調した。
トランプ氏は、ホワイトハウスでの記者会見で「英国と進歩的な貿易合意に達することができ、うれしく思う」と述べた。同氏によると、協定の詳細については、今後「数週間」にわたり、引き続き交渉が行われる。
ただ、この合意に基づき、英国は米国からの輸入品の税関手続きを迅速化し、農業、化学、エネルギー、工業製品の輸出に関する障壁を削減することとなる。
トランプ氏は「この協定で、米国の輸出品の市場アクセスが数十億ドル拡大する。特に農業分野は、米国の牛肉、エタノールなど、優れた米国農家が生産するほぼすべての製品のアクセスが、劇的に拡大する」と述べた。
トランプ氏は数十カ国・地域への上乗せ関税を発表後、貿易協定交渉のために発動を一時的に停止している。
英国との協定は、米国と他の経済圏との将来的な合意のあり方を示す手がかりとなる可能性がある。ラトニック米商務長官によると、この合意は範囲が限定的で、10%の基準関税は維持される。
合意に基づき、英自動車メーカーは米国に10%の関税で、10万台の自動車を輸出できる。トランプ氏が輸入自動車に課した25%の税率よりも低い。ラトニック氏は「英国の自動車業界にとって、これは数万人の雇用に相当する」と記者団に述べた。
英ロールス・ロイス・ホールディングスのエンジンと航空機部品は、関税なしで米国市場に輸出可能となる。一方、英国の航空会社が、米ボーイングから100億ドル(約1兆4500億円)相当の航空機を購入するという。ラトニック氏は、航空会社の具体名は明かさなかった。
パナソニックHD、1万人削減 構造改革費用1300億円 - 日本経済新聞
パナソニックホールディングス(HD)は9日、1万人の人員削減をすると発表した。早期退職の募集などで2027年3月期までに減らす。グループでの間接部門の重複などが課題となっていた。26年3月期に人員削減を含む構造改革費用として1300億円を計上する。
1万人の内訳は国内と海外が5千人ずつで、主に26年3月期に削減する。パナソニックグループの24年3月末時点の従業員数はグローバルで約22万8千人。人員削減の対象は全体の4%に相当する。パナソニックHD本体や傘下の事業会社それぞれに人事や経理などの間接部門を抱えており、かねて投資家などから機能の重複が指摘されていた。
人員削減のほか赤字事業の撤退や拠点の統廃合など構造改革で27年3月期までに1220億円の損益改善効果を見込む。
9日の記者会見で楠見雄規社長は「雇用に手をつけることは、じくじたる思いだ。経営責任は私にある」と話した。楠見氏は26年3月期に総報酬の40%を返上する。
パナソニックHDは25年2月、家電製品などを手掛ける事業会社パナソニックの解体を含むグループ再編方針を発表していた。今後、不採算事業の売却や撤退を進める。
今回の人員削減は最終損益が黒字のなかで実行する点で過去とは異なる。パナソニックHDの連結決算は13年3月期の最終赤字を最後に25年3月期まで12年連続で黒字を確保する。財務の健全性は保たれている。
銀座の路面店、初の空きゼロ ロレックス・ティファニー出店続々 - 日本経済新聞
東京を代表する高級商業地、銀座が好況に沸いている。民間調査では路面店の空き物件が初めてゼロになった。訪日客や国内富裕層の消費を見込んだ高級ブランドが軒並み旗艦店を出しているうえ、足元では眼鏡やスポーツ用品など出店業態に広がりがみられる。空き物件を複数のテナントが取り合い、賃料を押し上げる構図が続く。
不動産サービス大手のシービーアールイー(CBRE、東京・千代田)が9日発表した調査によると、銀座...
FOMC、金利据え置き-インフレ率と失業率の上昇リスクを指摘 - Bloomberg
米連邦公開市場委員会(FOMC)は6、7両日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。据え置きは3会合連続。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、金利調整を急いでいないとの姿勢を示し、関税がインフレ加速と失業増加につながる恐れがあると述べた。
パウエル議長はFOMC会合後の記者会見で、「発表された大幅な関税引き上げが維持されれば、インフレ加速と経済成長減速、そして失業増加をもたらす可能性が高い」と発言。「インフレへの影響は、物価水準の一時的な変化を反映して短期的なものにとどまり得る」としながらも、「そのインフレ効果がより根強いものになる可能性もある」と付け加えた。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%。今回の政策決定は全会一致だった。FOMCは声明で、インフレ加速と失業増加のリスクが高まっているとの認識を示した。
声明では「景気見通しに関する不確実性は一段と増している」と指摘。「失業増加とインフレ加速のリスクは高まったと判断している」と記した。
逆オイルショックとは サウジが調整役放棄、株安波及も - 日本経済新聞
1970年代、中東地域での戦争を背景に原油価格が高騰した「オイルショック」が日本経済を襲いました。反対に、産油国の経済が大きな打撃を受けるほどの油価の急落を「逆オイルショック」といいます。
逆オイルショックと呼ばれる原油下落局面を市場は3回ほど経験しています。最初は1986年、石油メジャーと石油輸出国機構(OPEC)の市場シェア争いを背景に原油価格が急落しました。
原油価格が55ドル台に急落し、1週間で10%超の下落。関税による貿易縮小を背景に、実体経済の悪化を織り込み始めた兆候だ。50ドルを割り込めば信用市場や資源国通貨にも波及する。過去の景気後退局面でも原油急落は先行指標であり、これは単なる価格調整ではなく、世界経済の失速を示す警鐘でもある。 pic.twitter.com/kw6vZ6KYPy
— 朝倉智也(Tomoya Asakura) (@tomoyaasakura) 2025年5月5日
中国太陽光パネル7社、初の赤字転落 過剰生産で市況悪化https://t.co/sJPkEvrNzI
— 滝田洋一(Yoichi TAKITA) (@takitanufs) 2025年5月6日
①急失速した背景に中国企業の過剰生産による市況の悪化がある。
②中国企業が大胆な増産投資に踏み切れた背景には習指導部の意向もある。
――太陽光へまっしぐらの”隣国”は過剰生産の捌け口に…。 pic.twitter.com/qdhxgtVvhu
不正取引の被害額、ページが更新されてすごい増えてた pic.twitter.com/XgUOUbFkQx
— ありゃりゃ (@aryarya) 2025年5月8日
ロシアの石油とガスの収益が急落し、財政赤字が1兆2000億ルーブルから3兆8000億ルーブルに増加した
— ロイエンタール新領土総督 (@6QhdTQGwiXXAlxb) 2025年5月8日
クレムリンは、赤字を補うために水道と電気料金を4年間で40%引き上げることを決定したが
公共料金の値上げはインフレの押し上げに繋がるだろう
※長文になります pic.twitter.com/fQBATdUj9M