米国の消費者物価指数が市場予想を上回って増加したことで、懸念されていたインフレが現実のものとして顕在化した。このタイミングに利益確定の機会を模索していたトレーダーが殺到して株式市場が急落した。
相対的にパフォーマンスが悪かった日本市場は、米国のCPIショックと連動してさらなる下落。決算シーズンの数字が評価されるケースが少なく、多くの銘柄が年初来安値をタッチするまで下げた。ネガティブな要因だけ感度が高い投資家をイライラさせる展開になってしまった。
主力銘柄の決算が今週で終了したので、来週から積極的に動きたいところだけど、しばらくは様子見モードになりそう。少なくとも今期ガイダンスが好調だからという理由で飛びつくのは自重したい。
国内のコロナは変異種が全国的に広がっていて予断を許さない状態が続いているが、緊急事態宣言(別の要因があるかもしれないが)が結果的に変異種感染に対しても一定の効力を発揮しているのは好材料だ。
インフレ懸念が顕在化しつつあるが、このまま一方的に株式市場が逆回転していくとは考えにくい。むしろ今注意して観測すべきなのは株式市場ではなく家計貯蓄のほうなのかもしれない。ほんとうにインフレが危機的状況として大衆に認知されたら、過去最高水準まで高まっている家計の金融資産残高が逆回転することが考えられる。逆回転が始まったらすでにコントロール不能で手遅れだと思うのでそうなる前に動けるようにしておきたい。
留意事項
- 半導体、ナイロン、DRAM、液晶パネル、木材、砂糖、トウモロコシの供給問題
- 首都圏の中古マンションのストック急減
- 暗号化通貨のボラティリティ
- バイデン大統領の方針と市場への影響
- 国内のワクチン接種スケジュール
- 構造的な問題に起因するインフレ懸念
- 家計貯蓄の方向性を注視
対応方針
- 柔軟に対処できるようにキャッシュ比率を意識する
- ポートフォリオの優先順位を意識
- 海外投資家の動向を警戒しておく
- ROE/PBRのバランスを意識してスクリーニング
- 予想で動かない 予想で動いている勢力の逆張りを意識
・先進国よりワクチン普及が遅れている新興国のほうが弱い
・材木を筆頭に商品先物は高値で推移
・REITの下げも大きい(物価との正の相関は見られず)
米国で品不足が原因で木材価格が高騰している。超低金利に新型コロナウイルス禍での在宅勤務普及が重なり米国で住宅ブームが発生。木材需要が予想外に膨れ上がり、価格は約1年で6倍に高騰した。米国では資材高で新築住宅の価格や家賃が上昇し始めており、日本にも輸入木材の価格高騰や調達困難の形で「ショック」が波及している。
賢人バフェット氏の警鐘 大きな政府、株高に転機: 日本経済新聞
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米バークシャー・ハザウェイが守りの姿勢を強めている。米景気が新型コロナウイルス禍から急回復してきたにもかかわらず、手元資金を再び積み上げた。「大きな政府」に傾斜するバイデン政権が市場に何をもたらすのか、賢人と呼ばれる同氏の発言に警戒感がにじむ。